富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2015-12-29

農暦十一月十九日。抱腹絶倒の夢を見て夜中に目覚める。昭和の戦後のコメディ俳優らオンパレードでアタシがなぜかその芸人ら集めた舞台だか企画して舞台跳ねたあとの余興の宴会がどこか賑やかな料亭で。森繁とのり平は踊り始めトニー谷が玄関で下足番、金語楼から昆ちゃん、作者連中もトリローから六輔、青島、野坂と揃ひ騒ぐ/\でアタシの親族友人まで繰り出して、その騒ぎを「こりゃ面白い」とiPhoneのビデオで撮影してゐる不思議な光景。それが「あ、夢だ」で誠に残念。続きでも見られゝば、と二度寝したら今度はかなり現実のストレス反映した寝苦しい夢。家人と九龍公園。先日はチラ見の2015 Bi-city Biennale of Urbanism / Architecture参観。あまり大したことはない。都市化で高層ビル立ち並ぶから、発想の転換で巨大なビルディング塔立て、そこに大きな空中回廊を何層も巡らして、そこから下に高層ビルをいくつも下げる、ってクリスマスツリーか。緑化は大切だが高層ビルに空中庭園を設ければいゝといふものでもない。模型で、空中庭園に一人、事故で転落してゐる人のゐることを家人が見つける。一般人なのか、はたまた建築家の自殺か。いずれにせよ奇抜な建築はいけないといふこと。そも/\高層ビルを建てるといふ発想を見直す→止めるべき。尖沙咀を抜け尖東のRoyal Garden Hotelへ。意太利料理のSabatiniで昼食。十年ぶり?かしら。隣卓に誰だつたか財界?の著名人、食堂の奥にホテルの重役と客かVIP客がゐて給仕長自ら慇懃に、ホテルの関係者やシェフなどひっきりなしに現れ愛想売り煩わしいかぎり。昔は感動したパスタも何だか今ひとつ感動もなかつたのはいゝとしてだ、デザートは主菜が先に済んでゐる私らが先のはずなのに上客優先でかなり待たされ、運ばれたコーヒーは受け皿に汚く溢れ(茶餐庁ぢゃないんだから)客あしらひの悪さ目立ち給仕長に苦言呈す。ちなみに同店で東京の青山にある食肆だと前菜、スープ、パスタに珈琲デザートのコースで2,900円、香港だと前菜、パスタに珈琲デザートのコースでHK$358と東京のほうがずっとお得。お昼に2人でグラスワイン頼むと日本円なら15,000円である、不満もあれば苦言も言ひたくなるといふもの。遅めの昼食で夜は空腹感もなく抜き。「岩合光昭の世界ネコ歩き」津軽編とコント番組 LIFEなど珍しくテレビ見る。
荷風散人の弟、鷲津貞二郎は基督教の牧師となつた人だが一昨日綴つた小島政二郎『小説 永井荷風』にその貞二郎が任地の水戸から戻り、とあり調べたら日本基督教団の水戸教会にゐたとあり其処はアタシが幼稚園に入るまで通つた聖光学園といふ保育園のあつた教会。運動場の隅に苫屋あり、そこに教会が面倒を見てゐたのだらう老婆独居で、いつもそこで遊んでゐたこと思ひ出す。3〜4歳のころのことだが不思議と保育園の建物やその老婆のこと、行き帰りの道程を覚へてゐる。その1年くらゐ前に花電車を最後に廃止になつた市電の線路跡。以上、備忘。
▼香港で「競争条例」今月中に施行の由。競争条例って新自由主義で市民に競争を強制するわけでなく商取引きで業界が供給元との確約で公価(標準小売価格)維持を認めぬもの。今日の新聞にこれに伴ひ金商品売買での佣金*1も解消と今日の新聞にあり。佣金(店佣)は販売手数料だとしたら小売店仕入れ価格に乗せる利益と何が違ふのか、と思ふが佣金の場合には業界のルール前提にあり、これが今でも通用してきたのが金商品扱ふ金舗だが、金製品購入の場合に価格はその日の金相場価格×重さに金製品の加工手数料が加算されるが、ここで金相場価格×重さ×2%が「佣金」として販売価格に上乗せ。これでほぼ金製品の値段は公価が維持される。この店佣なるものがいつから発生したのか、何なのか定かでないが19世紀中葉に香港で商取引きが始まり当時、内陸からの食料品等扱ふ南北貨や米業が主力、だが当時の供給は不安定で問屋がカルテルを組み相場の卸売価格に2%を店佣としたのが始まりだといふ。この店佣はその後、自由競争が主となり小売価格に含まれゆくが金舗のやうに金相場ありきで古い業界には店佣が残つたものだといふ。

*1:佣金是商業活動中勞務報酬的一種,一般而言是指提供給中間人或代理的報酬。而所謂的中間人是指在商業行為中促成交易的角色,例如房地產買賣的仲介商、股票市場的證券所和拍卖行等等。