富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

𨉷記は交渉破談

fookpaktsuen2015-12-17

農暦十一月初七。晴。気温は摂氏11度=そろ/\凍死者が出る寒さ。早晩に尖沙咀。携帯電話のことでCSL商店に寄る。担当してくれたスタッフがお互い顔を見て「あれ?」と。1992年から1年半ほど一緒に働いたことのあるA君で20数年ぶりの邂逅。寿司廣。北京Kに誘はれ会食。この寿司屋の入る広東道のビル入り口に蘋果商店あり。尖沙咀にも蘋果商店あつたのは知つてゐたが場所知らず。此処か。広東道では明らかに大陸客目当てだが大陸客も随分と少なくなつたもの。この蘋果商店開業でそのビルの楼上への入り口はかなり隅に追ひやられ、しかも蘋果商店のテイスト崩さぬシルバー一緒で余計な看板など一切なし。随分と奥のエレベータホールまで入り5階に上がり、So cool! 通りこした冷たい感じの空間を抜けエレベータ乗り換へ……これぢゃ楼上のテナントはやってられない。K氏をホテルまで送り佐敦のバーWで〆めの啤酒一杯飲んで帰宅。
▼𨉷記騒動。昨日が内紛双方での示談期限。これで合意に至らなければ清盤=会社清算。兄方(大少)追ひ出した二少側は𨉷記の経営権掌握で有利なやうに見えたが、何も今更失ふものもない大少側は45%の所有権の譲渡に強気の姿勢でHK$13億の高値ふっかけ二少側は買収資金準備には子会社や所有不動産売却益に加え𨉷記ビル抵当にしての銀行融資もHK$1億足りず。このまゝでは清算で資産分けあつてお終ひ。家族内の不和はあるにせよ二少が欲に走つたのが何より悪い、で𨉷記の看板すら失ふハメに。昨夕の制限時間ぎりぎりで二少側が一方的に示談期間延長を裁判所に求める。二少側はこれはあくまで海外にある持株会社の争議であり香港にある𨉷記酒家の営業には直接支障はないとするが会社清算された場合に𨉷記大厦は売りに出され𨉷記がかりに移転して営業続けるにしても調理場にある炭爐は香港政府(食環署)がすでに大型炭爐の使用権許可を出してゐないので移転先で炭爐は使へず炭燒燒鵝は同じ条件で供せなぬことに。
▼「明治時代の半ばまで日本は夫婦別姓の国でした」と朝日新聞山田昌弘教授(中央大学)。山田先生は今は在香港で旅居中の由。「結婚で夫婦の一方が姓を変え同じ姓にする現在の制度は明治政府が西洋化政策の一環として法律で強制したもの」で戸籍制度前は桂小五郎木戸孝允になつたり、もっと自由で大らか。「伝統を守れ」といふなら夫婦別姓に戻せといふ意見が出て然るべき、と。夫婦別姓で家族崩壊をいふ人もゐるが日本と同様に儒教の影響受けた中国や韓国で別姓で家族が壊れる、仲が悪いことはない。夫婦別姓への反対は結局「理屈ではなく感情」で、その底にあるのは多数と同じでない人は変だ、けしからん、皆と同じにしろといふ無言の「この社会の同調圧力」。

問われているのは、皆と同じにしないのなら不利益を受けて当然、あるいは人と違うことを許容しない、という社会でこれからの日本は大丈夫なのか、ということです。
高度成長の時代ならともかく、これからの経済発展には多様な人材が力を発揮することが欠かせません。政府が「一億総活躍社会」といい、ダイバーシティー(多様性)を強調するならさまざまな個性を開花させてこそ、です。

中共主催の世界インターネット大会、第2回大会を浙江省の烏鎮で開催。facebookTwitterもつながらない世界でもネット規制の厳しさではダントツの国で、何がネットの国際会議だよ、と嗤ふばかり。国際社会はネットの世界的な管理システムの変革を推進すべき、サイバー分野での秩序づくり主導と近習平は宣ひ「ネット空間は無法地帯ではない」と国内のネット規制を正当化。