富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2015-10-29

農暦九月十七日。客人あり晩に北角の鳳城酒家に宴会あり末席を汚す。毎日のジョギングは12日間で中断。
▼「党内議論わずか、独裁政治に陥る」古賀元幹事長が自民党批判(こちら)。自民は一強多弱状態で党内議論が不十分、チェック・アンド・バランスを党内で行わない限り独裁政治に陥る。総裁選での無投票も党内の不満が溜まるくらゐならまだ見込みあるが、溜まらないのが情けない、どんどん党全体が劣化といふ嘆き。だが遺族会としては天皇靖国参拝できる環境作りできるのは晋三より右寄りの人たちが信頼もつて政権任せてゐる晋三だけで最大なチャンスだ、と。つまりは古賀さんの晋三への要求はA級戦犯合祀の中止。晋三がこれを受け入れられるのか。
朝日新聞(あすを探る)民主主義、次のビジョンへ:中北浩爾より(こちら

憲法9条の解釈を閣議決定で変更し、安全保障関連法案の国会審議を強引に推し進めた安倍政権を、民主主義の破壊者だと批判する声を耳にする。ファシストといったように。気持ちは分からないわけではない。だが、それは本当に正しい認識なのか。自民党を政権の座から放逐すれば、問題は解決するのか。私には、そうは思えない。

……と。民主党政権の政治手法もまた程度の差こそあれ「かなり乱暴」。鳩山政権で前原国土交通相は「マニフェストに書いてありますから」と群馬県の八ツ場ダム建設中止表明。副総理だつた菅は「議会制民主主義というのは期限を切ったあるレベルの独裁を認めること」まで国会で発言。事務次官会議廃止で「官僚でなく政治家が憲法解釈」と内閣法制局長官を独立性高い機関の長として国会答弁が認められる政府特別補佐人除外する案もあり。これは今の自民党並みのひどい判断。当時、自民党民主党政権に対して「憲法は、主権者である国民が政府・国会の権限を制限するための法であるという性格をもち、その解釈が、政治的恣意によって安易に変更されることは、国民主権の基本原則の観点から許されない」と批判したといふのだから嗤ふばかり。いずれにせよ自民党であれ民主党であれ「総選挙で過半数議席を握った政党が首相を中心として強力な政治的リーダーシップを発揮することこそが民主主義」といふ考へ。中北先生曰く、これは「国家権力の行使を憲法によって制約する立憲主義が軽視され世論調査や抗議行動など選挙以外の回路によって表出される多様な民意が蔑ろにされてしまう」もの。……かふ指摘されてしまふと晋三を退けたところで次の政権はまた同じ窩のムジナかもしれぬ。だがこれはチャーチルに戻るが、それでも延々とこの実験を続けることが民主主義として他のどの制度よりはまだマシなのだらう。