富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

야간비행、光陰的故事

fookpaktsuen2015-06-20

農暦五月初五。端午節。酷暑。昼すぎ日陰縫ふやうに油麻地のCinematiqueに往き珍しく韓国映画で이송희일(李宋喜一)監督の2014年の映画「야간비행」見る。そのまゝ読んで「夜間飛行」はソウルの男子高校生のありがちな青春映画だが主人公・容洙と小学校からん同級生で不良になつた基雄いずれも母子家庭で、その母性と十代の息子の微妙な関係、父探し、そこに韓国の労務問題も絡み、なか/\よく出来た映画。主人公・容洙役は곽시양(Kwak Si-yang)で普通の勉強もできる高校生無難に演じるが相手役の이재준(李在濬)が男も惚れるやうな切られ与三的なニンで好演。物語は淀川先生的に一言でいへば「ホモに愛されたヘテロホモフォビア的苦悩」であつて、おすぎ的には「ゲイにつきまとわれたノンケが「もしかしてゲイも悪くない?」って感じるのも十代だから美しい話になるのよね」である。ちなみに「夜間飛行」は、この映画ではソウルの場末にある解体寸前の商業ビルの屋上階にあつたゲイ相手のバーの名前がこれ。ゲイであることを隠す容洙がスマフォの交流サイトで知り合つた別の学校のゲイ友と学校が終はると忍び込んでは四方山話に耽つてゐたのが此処。中環。IFCの映画館で「光陰的故事 - 台湾新電影」見る。1980年代からの台湾新電影のドキュメンタリー。各地の映画製作者や評論家が台湾の新時代映画の意義を語り主だった作品を見せる。予想以上に誰彼が挙げて絶賛するのが楊徳昌監督(1947〜2007)。そりゃ立派な監督だが黒沢清監督がエドワード=ヤン監督の凄さとして指摘したのが「青梅竹馬」(タイペイストーリー)に見られる台北の街頭でのシーンが普通の台北の市街や建物内なのだが、まるで映画のためにそこにあるやうに完璧に映画の構図として風景が役割を果たしてゐること。確かに。佐藤忠男先生が神保町かしら?の珈琲店でお元気な姿で王童監督の「香蕉天堂」や台湾の近現代史と台湾ニューウェーブ映画の意義について語る。是枝監督の父が台南生まれで嘉義農林出身。萬仁監督の「超級市民」など台湾映画でまだ見てゐない作品も澤山ありと痛感。この映画の最初の語り部が雲門舞集の林懐民、前半は欧州、中間で東京が長く、北京では艾未未、香港で満を持して台北となり祭明亮から侯孝賢へと結ぶ、この構成だけでも見事。エンドクレジット見たらインタビューで登場したのは半数程でかなりの数の文化人に台湾新電影のコメント録りしてをり、これを見る機会はないものかしら。地下鉄で西營盤。家人と待ち合わせ湘南少爺に飰す。端午節で粽を帰りにいたゞく。激辛の料理にすぐに腹瀉とは情けない。MTRの香港大學站、新しい站なのでトイレあり助かる。
衆院憲法審査会与党筆頭幹事船田某、自民党による長谷部教授推薦は人選「ミス」と釈明。長谷部先生の安保法制に関する考へを事前に「あまり調べてしなかった」と船田君、朝日新聞はやはり読んでゐないのかしら。
▼香港の一昨日の立法會珍事伝へる日本の報道。昨日の日経の「親中国派議員の大半は採決の途中で退席し」は説明不足。東京新聞は昨日は「多数の親中派議員が投票前に議事堂から退出し」で説明不足だが今日の続報で「香港改革案否決 親中派連携欠く」の見出しで「引き延ばし図り退場 裏目」で「主席(議長)が5分後に採決すると宣言した後に1人の親中派議員が議場に戻っておらず親中派は休憩を求めた。主席は規則により認めなかったため、ある議員が定足数割れによる審議引き伸ばしのため「退席しよう」と声をかけた。別の議員は「遅刻議員を外で待とう」と誘い、大半の議員は意図がわからないまま計31人が退出した」とやたら詳しいが香港に特派員在るのに「19日付の香港紙・明報によると」なのが何とも。朝日(昨日の朝刊)は「採決は法案に賛成する親中派議員の多くが手違いで議場を退出した間に行われ」としてゐるが「手違いで議場を退出した間に」では議場退出ぢたいが手違ひと読める。これはせめて「議場退出の際の手違いの間に」が正確か。各社いずれの記事も賛成した議員を一緒くたに「親中派」はいけない。
トヨタの米国人重役がオキシコドン系のおクスリを米国から郵送し麻薬取締法違反の輸入容疑。この人の名前がヘンプなら大麻だがハンプさんでクスリは頒布目的か……なんてね。玩具のペンダントの箱の下に忍ばせたりせず寧ろ堂々と生活雑貨の箱の中に入れてゐたら「日本デ、ドラッグデスカ? ワタシ知リマセン!」と言へたのに。それにしても気持ち悪いのはトヨタ社長の記者会見。「世間をお騒がせして」の日本企業独特のお詫びから始まり、この常務を「かけがえのない仲間」だとか「役員の従業員も子どものようなもの、子どもを守るのは親の責任で迷惑をかけたら謝るのも親の責任」と世界のトヨタも所詮、子ども社会の日本企業。さらに社長の立場で「法を犯す意図がなかったことが明らかにされると信じている」なんて余計なことまで言及。香港で某世界的保険会社の香港代表が、その十代の娘が曼谷だつたかで麻薬所持で捕まつたのが逃亡して世界刑事機構で指名手配になつたが娘の不祥事と親の仕事は別と役職に留まつたが、それで何も問題ないはずで、親子ですらそれなのだから、今回の場合、トヨタは「本人がどのような意図と認識で今回の行為をしたのか会社は知る術もなく驚いている」が「明らかに日本で法律に触れることで警察と司法の判断を待ち会社は対応する」で何ら問題ないはず。