富柏村香港日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴る日剩でござゐます

fookpaktsuen2011-03-17

三月十七日(木)晴。気温は朝、摂氏零下三度くらゐ。陋宅の片づけは台所で割れた食器や倒壊の照明器具などまとめて不燃物ゴミに出してほヾ終はり。コタツに入つて何もすることなく被災報道のテレビ眺めてゐると何だか痴呆老人のやうで市役所のHP見ると災害ボランティア募集といふ案内ありメール送るが返事もなく蕎麦を茹で昼を済ませてから市役所へ。市役所ぢたいが庁舎老朽化で地震で危険らしく隣接の市民会館で臨時業務。何だか市内で最も被害甚大かしら。で福祉ナントカ課で市民ボランティアの説明聴きボランティア登録。何かボランティア業務があればご連絡しますね、と比較的人員的には余裕があるのか、念のため市のボランティアセンター(市福祉協議会)の対策本部に聞いてみます、とのことで市役所から歩いて15分くらゐのところに住む八旬の独居女性が家具倒壊で寝る場所もなく……と。アタシの前に登録してゐたN君といきなり出動。登録はカードに名前と住所等書くだけ。アタシは運転免許証も保険証もないが本人確認なし。N君が「そのお婆さんのところに行って何か見せる書類とかないんですか?」と尋ねたが例えば「市緊急ボランティア」といふ名札もない。「市のボランティアです」って相手安心させて荷物片づける振りして通帳と印鑑、有価証券持ち逃げ、とかないですかね、ボランティア詐欺……なんてアタシの軽口に市役所の職員が「そんなこと絶対にしないでくださいねぇ」と(笑)。でもボランティアの本人確認と名札くらゐは用意するべきだらう。その八旬のお婆さんの住まひ、古い商店の横の狭い路地入つた離れの貸家。一瞬、ゴミ屋敷か?とまるでアタシらはゴミ屋敷片づけるB級お笑ひタレントのやうな姿をば想像したが古い小さな家は長年の荷物多く普段でも狭いが地震で箪笥上の荷物など落ち家具が動き襖や障子が外れ閉まらず、の難儀。家具の倒壊は無し。まぁ散乱してゐなくても何か動かすのがパズルのやうで順番に家具を動かし箪笥上の荷物は廊下に積んで、の作業。暗くまる前には避難所に戻ると老婆がいふので、とりあへず明日なり明後日なり避難所閉鎖で戻るときに寝られるだけ、の場所を確保。片づけながら地震の時のことや(幸ひ外出中)、被災のことなど聞くと「空襲で焼夷弾から逃げ回って……もう棺に片足突っ込んでもう死ぬばかりだったのに」と呟くので「せっかく片足突っ込んでたのに驚いて足が棺から出て、地震のショック療法で元気になってまだ/\長生きだね」と笑ふ。憎らしいくらゐ気丈夫さうな婆さんだつたが片づけ終はつて帰ろうとすると「怖かった……本当に怖かった」と泣か家が住めるようになつた、とお礼言はれるが「お茶も出さないで」とご祝儀握らされ断るのにかなり難儀。かつて(といつても江戸時代から前世紀前半まで、だが)「下市」といはれ賑わつた商店街(の址?)漫ろ歩く。地震直後はかなりズタ/\だつたのでせうが倒壊した塀の石もこゝまできちんと並べるか……と、これが日本の美? 書店一つあり開業の由。市内の大型書店は軒並み休業中。ボランティアの帰りに永井書店なる昔からあるフツーの書店にふらりと何か時間潰しの読み物を、と寄つたが店頭のベストセラーの並ぶ(はずの)新刊書棚にゲルナーの「民族とナショナリズム」(岩波書店)があり何だ?と思つたら今どき、といふか全国的にこゝまでありか?といふくらい新刊書から新書、文庫まで「先づ岩波」で岩波書店の出版物がずらりと並ぶ。荷風散人の日剩が岩波文庫に「摘録」であることは知つてゐたが日剩は岩波の日剩全巻、全集、東陽書房の荷風日記と三組あり文庫を手にとつたこともなかつたが摘録といふにはかなりの内容量だと今になつて知つた。「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」加藤陽子朝日出版社)と岩波文庫坂口謹一郎「日本の酒」など購ふ。「朝日ジャーナルの増刊って?」と尋ねると嬉しそうに「今日、入りましたよ!」と。隠れた岩波朝日系リベラル書店か。こんな鄙びた処で……。Rock Bottomといふアタシが中学から高校の頃に通つたプログレとジャズのレコード屋の新店舗?見つけ感動したがすでに閉業の由。午後5時まで営業のスーパーで食材購ひコンビニ一軒ずつ乳製品だ、菓子パンだ、と何か仕入れ帰宅。一応、被災地の片隅のやうな此処でもそれなりの食料が確保され皆な落ち着いてゐるのに何故、首都圏で買い占め獣が暴れるのかしら。マスコミの報道の所為?でも同じ報道見てゐるし、買い占めもあるが輸送手段に問題といふ見方もあるが食料品確保は被災地が優先され東京が後回しにされてゐる? それにしてもコンビニが日本で生活の基本になつてゐるとはもう十年も前から思つてゐたが今回の地震後の生活で本当にライフラインなのだ、と痛感。コンビニがあれば生きていける。これぢゃあまりに生活そのものがコンビニに収斂されちまふだらう。自動車が少なくて、なのかしら見事な見事な夕焼け。晩は水餃子とキャベツのキムチ鍋。釜石の元「阿Q」のPちゃん、三陸町のぜんちゃん、の無事をTaraco氏に聞く。
▼核禍、原発冷却に放水車、は警視庁の機動隊? 何で?と思つたら暴徒化した過激派はデモ隊用、って日本は平和国家か。左翼過激派対策の放水車ださうだが「津波は天罰」なんて言う非国民をば磷り付けにして高水圧之刑でも是非。

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富柏村写真画像 www.flickr.com/photos/48431806@N00/
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