いわし三昧

本日陰暦十二月初七。晴。気温摂氏▲3.5/13.6度。朝から花火に何事かと思へば水府の消防の出初式らしい。

銀座渡邊版画舗の巴水のカレンダーは四季折々年６枚で気に入つた図柄捨てるのも惜しく切り取つてゐたらかなりの数になりA3のファイルをCainzで今朝買ひ求め版画切り抜きを四季にまとめて整理。季節毎に簡単な額に入れてどこにでも掛けられる。Cainzといへば東急ハンズがCainz傘下になるとか。ハンズは渋谷宇田川町がてつきり１号店だと思つてゐたら渋谷は藤沢と二子玉に続く昭和53年の開業。あの当時はハンズとタワレコと〈壁の穴〉のスパゲッティだつた渋谷。「額に入れる」といへば額装も昔はご近所に表具屋があつたが何処も次々と廃業で先日地元の或る美術設計の方に尋ねたらジョイフル本田がお手軽に額装してもらへると聞く。何でもかんでもホームセンターの今日この頃。

横浜からＩ夫妻お越しで夕方ホテルで夫妻だと10年ぶりくらゐなのかしら再会でＩ氏のお車で家人と四人で那珂湊経由で大洗へ。今日はひたちなかと水戸の埋蔵文化財センター見学されたさうで「どこ？それ」だつたが虎塚古墳と大串貝塚とわかれば合点。

大洗の〈大森〉は名物のイワシ料理はお正月だと漁にまだ出てないので供せるか何うかといはれてゐたが間に合つたやうで、しかもイワシの質も上々ださう。刺身、何よりも絶品の酢洗ひと塩焼きでいわし三昧。

あん肝。最後にイワシの煮付けで塩おにぎり。このおにぎりがお米もとても美味しくて追加で注文してしまつた。お酒は木内酒造の〈菊盛〉を４人で一升近く飲んだかしら。復路は代行を頼み水戸まで3,200円。今日はＩ夫妻に小倉屋の豆大福を差し上げて家でも豆大福をお茶請けに。豆大福と大福の２種類だけをご主人一人で作つてゐて食べログ（東日本）スイーツ百名店に茨城県で唯一選ばれてゐる。

香港の政官「百人宴」事件。この全人代宴会でクラスターこそ発生してはゐないが、この疫禍の最中に高官と政治家らが百人宴開催したことだけで「事件」となつた。リンテイ市長この醜悪なる事態に厳罰で対処明言し尚更のこと民政事務局長には大いに失望としてみせた。林郑は高官の瑕疵はそれぞれの浅慮として個人の責任を問ひ自らは不問として（つまりこれが行政長官連任には影響せず）その上で「香港の感染については全責任を負ふ」と見事なレトリックで党紙大公報も社説で林郑のこの決定を支持で一致団結抗疫を！と呼びかける。
今朝の明報に「本港最新疫情発展」の図表があって感染者に#12903なんて番号がつけられてゐて「あれ？これって？」と思つたら２年前に#1からのナンバリングが連綿とまだ続いてゐたとは。この２年前の画像は今はなき蘋果日報（哭）で2020年1月9日のはず（もう蘋果日報のバックナンバーが見られないので正確にはわからない）。この「個別編號」と感染ルート解明はSARSでは感染対策でかなり効果あり。今回の武肺でも感染当初このやり方は効果があるかと思へたが市中での感染拡大、クラスター発生でもうこれは諦められたかとてつきり思つてゐたが実用中でしかもルート解明がされてゐることには驚いた。

陰暦十二月初六

久々に香港市民に笑顔が戻つたさう。建制派土共の誕生日パーティに政府高官や憎まれ役の民建聯議員らが鳩集で感染者ゐて全員が隔離では普段は味方に林郑市長も大公報も叱らざるを得ず。政府批判は国安法違反だが自らの瑕疵を自己批難しなければいけないのだから。林郑は高官13名を直ちに停職処分に。禁聚令の今回の発効前とはいへ防疫のなか百人宴で防疫アプリの使用もしてゐなかつたのだから話にならない。

尊子の漫画（明報）も問責制で任命された政府高官が林郑の前で「今後は市民に気づかれないやうに」と宣誓である。

今回のこのパーティでは感染者（RTHKのキャスターださう）の来場が21時半で、理論上はその前に場を早々に辞した連中は、この感染はないことになるが市役所はこのパーティに参加した小役人ら議員ら全員を隔離してみせた。本人らには不満もあるだらうが見せしめ懲罰。この中には次は局長（国でいへば大臣）の副局長クラスがぞろぞろとゐて減給程度の処分にして済まさないと市役所で「次がゐない」。その中で民政事務局長はスケープゴート的に革職か。

中央政府が香港統治での方針転換のきっかけとなつたのは董建華率ゐる香港政府の行政能力の欠如だつたわけで市民の政府信頼向上のためCEPAでの経済優遇や自由行による大陸からの個人旅行制限緩和などで香港の活力向上を企図したものであつた。それは一定の成果があつたものの相次ぐ行政長官や政府高官のおバカぶりで市民の政府に対する反発抗議は収まらず大規模なデモや抗議活動が生じて……の今の香港である。今回もまた社会情勢も安定させた上での政府側の「自爆テロ」では中央政府も頭が痛いところ。

本日陰暦十二月初六。晴。気温摂氏▲5.2/8.8度。朝に寄つた珈琲店で今朝は▲8度だつたといはれ驚いたが出勤で車に乗つて外気温測つたらさうもなるだらう。日陰の雪は氷面となり今朝も雪かきならぬ氷砕き。同じ敷地内でも日向と日陰が南国と北国のやう。

香港13高官赴土共生誕百人宴隔離検疫

まさに事実は小説より奇なり、である。リンテイ市長が防疫で市民に対して夜間の会食やイベント制限など発した矢先に全人代香港代表・洪為民誕生日「百人宴」開催で２人の感染あり実際には170名が出席。

全員要隔離検疫のなかに親方五星紅旗で政府高官や建制派立法会議員など芋を洗ふが如く市役所高官13名に6名の立法会議員が鳩首歓楽で市役所は民政事務局長、財経事務及庫務局長に警察、入境、廉政公署（ICAC）のトップと退任間際の税関トップの他、副局長クラスぞろぞろ。郊外の竹篙灣にある隔離キャンプに臨時の香港政府サテライト設置できるほど。

パーティー参加の上に場内でマスクもせず市役所は市民に「安心出行」アプリ使用強制のところ、イミグレトップなどこのアプリの照会記録もないさう。リンテイ市長は昨晩緊急の記者会見で政府高官のおバカぶりを厳しく質すが（キャセイパシフィック航空での感染拡大では経営陣の責任問ふたのに対して）高官とはいへ個人の行動で本人の責任は当然として自らの責任は曖昧で「香港全体の感染状況こそ自分の責任」と誤魔化す。民主派と名乗る反政府勢力を一掃したことで安定した社会の建設と飛躍が期待されるところ、かつては権力の奴隷、バカだ無能だと嗤はれた市役所高官や建制派議員が外敵のゐない環境で我が世の春、無敵絶倫欣喜雀躍と好き勝手のし放題がこの箍の緩みで呆れるほどの醜態を曝すとこに。やはり批判勢力が必要なのである。普段なら読売新聞も真っ青の政府贔屓の党紙・大公報もさすがにこの件は隠蔽やフェイクニュースにもせず叱るしか他なし。民政事務局長といへば香港市役所で防疫に関してまさに市民生活制限等を司る部署で、そこのトップがご遊興では洒落にならず。廉政公署（ICAC）とて政府の汚職撲滅を目的に香港総督（現在は行政長官）直属で捜査指揮権限をもち政府でも全ての部署から距離を保ち立法会議員と懇意にするなどあり得ない立場なのだが廉政公署（ICAC）のトップには資質も怪しい連中が登用されるやうになり現職（白某）などもう就任前から訝しがられ廉政公署（ICAC）の独立性も中立も疑はれてゐたところ。そして何といつても叱られるのは警察トップ（蕭某）。あれだけ市民に嫌はれ権力行使に節度求められるところトップがこの脇の甘さで、これについてはいくら批判されやうが国安法で市民退治もできず。市役所と立法会で親中土共、建制体制派のなぁなぁの癒着で国安香港の先が思ひやられるところ。さて、どれだけ叱られ厳罰となるか。批判のない社会は腐敗する。

今日の朝日新聞（投書欄）より

本日陰暦十二月初五。気温摂氏▲5/7.8度。昨日午後から夜にかけてのかなりの降雪で夜は冷え込み今朝の水府は一面の冬景色であちこち見てまはりたいところだが朝から出先の雪かきでそれどころぢゃなくなつた。

それでも水戸市がFacebookとTwitterに今朝の水戸市のまことに風光明媚な雪景色の画像を上げてくれてゐた。まさに雪化粧。水戸の代表的な景観もいつも以上に美しい。

昨日、雪模様に水府で「環翠」に一盞とこの日剰に綴つたところ久が原Ｔ君が「環翠」は「酣醉」に掛けてゐるのではないかしら、と。「環翠」は漢籍にも出典見当たらず日本語。環翠といへば箱根強羅の環翠楼。環翠楼はなにせ伊藤公の命名でそのいはれ云々はこちら「環翠楼の起源」元湯 環翠楼 にある通りだが何だか釈然としないといふか落ち着きがよくない。それが「酣醉*1」に掛けたといはれるとすとんと落ちつきがよくなるから。正確なところはわからないが、それよりも、これですとんとくればそれで良いだらう。

昨年３月に逝去の篠田桃紅刀自著『これでおしまい』講談社を読む。「これぞ」といふ桃紅先生の一言が並んでゐるが基本の見方考へ方は一つで、それをいろいろな形で言ひ換へた一言を寄せて集めたもので読んでゐて正直、会田みつをの言葉と一緒で、ちょっと食傷気味のきらひあり。それにしてもすごい画家、書家である。父から授けられた雅号が「桃紅李白」からといふだけでも格が違ふ。もう何年前だつたかしら香港で桃紅先生の作品展あり確か香港に進出した日本の画廊？あるいは現代日本画に注目した香港の画商が開いたギャラリーの開業記念だつたか桃紅先生ご自身の来港はなかつたが日本の総領事館のある交易広場のロビーでかなり盛大な作品展であつた。桃紅先生の作品扱ふ日本の画商のお兄ちゃんたちが、まるでホストのやうだつた。この作品展のときもどこかの壁に一張掛けられた作品だとさぞや素晴らしいだらうが次から次へと並んでしまふと一寸食傷感あつたことをふと思ひ出した。

*1:酒に十分に酔うこと。酣醉楽は雅楽の高麗楽、高麗壱越調の曲。廃絶曲。源氏物語（椎本）「酣醉楽に遊びて」【広辞苑第七版】

水府に雪が降る

官方にとつては忌々しい「反政府組織」たる香港記者協会、外国人記者倶楽部（FCC）とアムネスティ香港（すでに活動停止）につき大公報はこれを英国香港政庁が香港に埋めていつた政治「地雷」とまで揶揄。記者クラブなど政府に懐疑的なのは当たり前でアムネスティも存在が危険視されるやうな組織ではないのだが（ちなみにアタシも記協とFCCのメンバーでアムネスティにもかつてカンパしてゐたので香港だと政治犯か）その三団体が1995年から毎年「人権新聞賞」なるものを設けてメディアの公信力疑はれるところだが昨年も、その受賞は警察や中央政府を「抹黒」し中台湾独立吹聴するやうな連中を表彰してゐたと大公報は叱る。確かに一党独裁の国家安定を崩壊させるやうな、とんでもない連中による非愛国的な行動である。かうした活動は絶対に取り締まられて我々の社会生活を安全で安定なものにしてゆかなければいけないのでＲ。

香港市役所はオミクロン株市中感染も恐れ明日からの夜の飲食店営業や大規模なイベント活動等の停止を発表。日本でいへば緊急事態宣言なのだが営業や活動の「中止を要請」ではなく「禁止」で違反した場合は罰則つきなので日本よりも措置は断然厳しい。かうした措置を日本が取れぬのは憲法で保障された基本的人権や自由が侵されてはいけないからと普段、お仕着せ憲法は廃止すべきで自主憲法制定を！と宣ひ基本的人権も「責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」なーんていふ人たちが、この防疫のための制限については慎重なのだから笑つてしまふが、それでも感染がこの程度で収まつてゐるのは日本の民度や衛生に対する意識が高く「神の国」だからゆゑ。香港のこんな制限徹底に対して日本は沖縄などにやつと（緩々の）蔓延重点措置指定を出すか何うか協議である。岩国基地のあたりなど地方自治体単位での対処で住民の市町村を跨ぐ移動など実際には制限もないのだから大したもの。２年近く日本に滞在して昨年末にイタリアに帰国した人と話してゐて日本滞在が丁度この感染に当たつてしまひ本当に大変な思ひ出しかないのでは？と言つたら「何を仰る、もしイタリアにゐたら都市封鎖や外出禁止で籠の中の鳥だつた」で、それに比べて日本は制限もとても緩やかで飲食店の利用でこそ不便もあつたが緊急事態宣言の合間をみて、あちこち旅行もできたし仕事も忙しくなく本当に楽しい日々を過ごすことができた……と笑顔で語つておられた。本当に素晴らしい国である。

ひたちなか市の射爆場跡地（国営ひたちなか海浜公園）で20年に渡り開催されてきた夏のRock in Japan Festival（渋谷陽一先生主宰）昨年は開催直前の中止決定となつたが今年は千葉での開催決定。

ロッキン会場 ひたちなか市から千葉市に “実は12月に伝えていた” | NHK

５日間で33万人（2019年）動員する茨城県にとつては最大規模のイベントで手放したくはなかつただらうが疫禍続くなかでいくつかのステージへの移動で混雑密集が生じる当会場の利用に困難と判断された由。千葉での新会場もステージからステージへと距離の長い民族大移動こそないが敷地内に入れば感染あらば感染する確率は高い気もするのだけれど。茨城県はまたこれで魅力度が下がるのかしら。

本日陰暦十二月初四。気温摂氏▲3/4.8度。午後から天気が崩れ気温も上がらないなか雪となる。銀座がうっすらと雪景色と報道があつた頃は水戸は小雪舞ふ程度だつたが夕方からは本格的な降雪。南町３の広場にある水戸黄門像も雪をかぶつて寒さう。歩行も雪がつらいが早めの帰宅ラッシュか自動車も大渋滞で歩いてゐる方が早いくらゐ。駅前の即席割烹〈環翠〉へ。某大学のＳ先生と家人と会食。Ｓ先生に水戸土産で先ほど寄つてきた南町１・木村屋の煉切り菓子と水戸の梅を差し上げる。Ｓ先生とは30年以上前に香港の中文大学で大学院宿舎の宿友。本当に宿舎の学食の臭いメシを食つたなか。今日は突然の雪で延期？とも思つたがＳ先生が常磐線で水戸を通るので常磐線が動いてゐれば大丈夫だらうといふ判断。酒は茨城は勇気の武勇。熱燗でさながら雪見酒だつたが雪は夜７時すぎにはやむ。結局、水戸の降雪は夜までに7cmで水戸の雪は2019年2月9日の3cm以来。それくらゐ水府は雪が少ない。今日は北海道江刺の12cmを除けば東京が積雪10cmで一番の降雪だつたやう。

アタシが幼いころ英語をＹ牧師に教はつてゐたフレンド派の少友幼稚園

水戸駅前の銀杏横丁を入つた環翠は経営こそ最近変はつたが店としてはもう百年老店でアタシの祖父はこのカウンター割烹をとても贔屓にしてゐた。あんまり頻繁にこゝにゐるので女将と馴染みなんぢゃないかと思はれたりもしたとか。店構へと店内の設へは昔のまゝ。早い時間に暖簾が裏返しに掛かつてゐたが、それはそれで意味あることで「暖簾が裏返しだよ」なんて野暮なことを言っちゃいけないだらう。今はこの店は地元で何軒か飲食店を経営する所謂ダイニングビジネス会社の傘下だが、さうした企業がこの店で昔ながらの風情を残さうと思ひもしなかつたら廃業で、この戦後の小料理屋の建物だつてもう解体されてゐたかもしれないのだから、かうした取り組みも大切なところ。

▼朝日新聞（社説）「桜」捜査終結 国会で説明責任果たせ https://t.co/P7yuhN8LK5

▼自民機関紙『自由民主』電子版の登録26件どまり（朝日新聞） https://t.co/C2v9F0QYfb https://t.co/mFN6A9fXiw

光さす

愛国立法会はかつての反政府派議員によるやうな妨害もなく秩序と安定のなか新会期開始は実に喜ばしいところだが民主派ネットメディア停刊が社会に与へる国安都市化への不安は大きく林鄭市長も「報道の自由に干渉することはない」と不安鎮静化に躍起だが香港に報道の自由などないことは小学生でもわかることで今更何を弁明しようどころが信用失墜は解消できるはずもない。あとは時間をかけて市民がこの国安生活に慣れること。大陸ではもつと厳しい条件でも人々は何も不安なく日常生活を送り経済活動も滞りなく進展してゐるのだから。シンガポールと何も変はらない程度の社会安定のための制限を享受すれば良いだけのことだらう。それにより生活の安全が脅かされないのだから。

南京の寺廟？に「東京卍會」の黒い特攻服姿の若者現れ、これは何ややら日本の人気マンガのコスチュームらしいのだが、南京なもので「殺」とかに周囲の市民が過敏に反応して騒動に。これが南京でも侵华日军南京大屠杀遇难同胞纪念馆とかぢゃなくて「日軍による南京大虐殺は捏造！」と叫んだわけでもないので、こゝまでトラブルにしなくても、といふ声もあり。いずれにせよ、みんな何だかおかしくなつてゐることだけは確か。

本日陰暦十二月初三。小寒。気温摂氏▲4.2/7.4度。連日寒さが続き暖房つけぬと老朽マンションは室温が摂氏10度に。天気予報で「真冬並みの」といふが、もう十分に寒いと思ふが調べてみたら１日の最高、最低、平均気温が最も低くなるのは例年一月下旬ださうで（ちょうど大寒である）、そこの天候を「真冬」として、その前後でも気温がそこまで下がると「真冬並み」といふさう。

もしかしたら一昨年の春に日本に戻つてから初めて？本格的な中華のおかずを盛り合はせで出先でいたゞいてきた。山東省出身者が営んでゐるのださう。餃子を「ギョーザ」と呼ぶのも山東方言だと聞いたことがあるが日本人には山東の味付けが合ふ。口水鶏なんて香港では当たり前のやうに食べてゐたものが何とも懐かしい。水戸の北、那珂市後台にあつて、ずつと〈那珂楼〉だと思つてゐたら〈那珂桜〉であつた。

とらやの新年の羊羹、今春の歌御会始のお題「光さす」いたゞく。世の中ちっとも光もさゝないところ。オミクロン株か第六波で沖縄では１日に600人感染。米軍基地従事者から地域感染広がるが日米地位協定で米軍関係者は日本に入国も米軍基地なので日本の検疫受けず。昨年11月からは海兵隊はマスク着用不要。在日基地に赴任しても隔離はなく基地内の行動は自由ださう。TBSのチキセッションで尾身先生のかなり自由闊達なコメントを聞く。感染防止策につき専門家である自分たちが策定したシナリオを自分たちで判断して適用することは判断の客観性に欠けるので自分たちはそのシナリオ策定だけを仕事として判断は政治に、実行は行政が責任をもつてやるべきと判断。勿論その過程でかなりのジレンマもあり昨年秋にステージ４とすぐに判断できなかつた時はかなりのストレスの由。いずれにせよ日本は民主主義国家なのだから意見を出し合ひ議論し対立する意見に耳を傾け共識を求めることの大切。今後の状況を想定し将来を見据へた判断をすることが困難でも、それをきちんとやつてゆくこと、と。御意。

陰暦十二月初二

〈眾新聞〉停刊は「自主的な決定であつて政府の圧力ではない」と市民の不安解消に躍起な党紙。悪名高き香港記者協会が〈眾新聞〉停刊を借りて不安煽動と。政府は報道の自由を保障しており市民は法律を守つてゐれば心配は不要。「法律を守っていれば」が得体の知れぬ何でもありの国安法なのだが。

香港立法会議事堂はこれまで香港特区の区徽が掲げられてゐて（それが一昨年七月の立法会突入で毀されたのだが）それを次の立法会会期から中共の国徽と、その下に区徽とする計画があり明らかに中央政府あつての特区といふわかりやすいシンボルとなるのだが、あくまで「次の会期」で立法会で承認され（愛国会なので反対があるはずがない）フックを上下に２つにして……のところ会期始まる直前に取り急ぎ国徽を掛ける上部指示があつたやうで工事間に合はず取り急ぎ国徽だけ掛ける応急措置で、それが現任と後任の立法会主席（議長）らにも前日の報告であつたさう。今の香港の政治状況を象徴するやうな出来事なり。

尊子漫画（明報）国安下香港の視力検査

本日陰暦十二月初二。気温摂氏▲3/10.6度。快晴。世間は本日が仕事始め。十二月末にスズキエブリィのミニカー「水郡線営業所」購入の顛末は綴つた通り（こちら）。ご近所の店に通販で注文したお間抜けだつたが、その店でミニカーのカーパークジオラマのデスクマット販売とわかり本夕お邪魔してみる。お店の方も市内でご近所からの注文はネタになつてゐたやう。小売業が地方都市では厳しいなかミニカー専門店でかつての泉町２の商店街にもうこの場所で12年ださう。トミカでトヨタのセンチュリーと目的の台湾のジオラマデスクシート購入。

珈琲のミル購入。かなり珈琲好きだが量も飲むので馴染みの珈琲屋で200ｇを購入して立派なミルできちんと挽いてもらひ４，５日で飲み切つてしまふので、それで良いと思つてゐた。ミルを持つてゐたのは大学生の頃。それが今回、珈琲豆を知己よりいたゞいた。仙台のお土産でFlat White Coffee Factoryのエチオピア原種の豆。これをどこかで挽かなければならない。懇意の珈琲店や豆購入で自分で挽けるお店で図々しく持ち込みの豆を挽いてもうふ図太い神経もない。いつも珈琲を飲むときに豆を挽いた方が香りも良く美味しいのは当然で、これを機にミル購入。懇意の珈琲器材扱ふ店で話をしたら手動と電動のあれこれ教へてくれ手動と決めたら手動のミルをいくつも揃へておいてくれた。結局普及品より値段は倍近かつたがハリオのセラミック使ひ受け部はオリーブウッドの見た目もきれいなミルにした。

茨城県内での初のオミクロン株感染確認につき水戸市で市長が個人の呟板に書き込み市役所がそれをretweetとは。逆だろ。いつものことだが市の発表より市長のブログや呟板の方が早い。肝心なことにかぎつて市役所だと発表に起案→決済があり、それに時間を費やしてゐる間に市長がポン！と出してしまふ。市役所内でも今どのやうな動きがあるか、過去にあれはいつだつた？を市長ブログで確認したりとか。これで良いのかしら。

ところで水戸市はワクチン接種の段取りの良さであるとか市の生活情報のLINE発信であるとか手際もよく市役所はしつかりしてゐるし、市民からの要望にも細かく対応してゐるのは立派。

陰暦十二月朔日

陰暦十二月朔日。気温摂氏▲2.7/9.4度。快晴。水戸を08時13分発のいつもの上野行き普通列車に乗る。あ、この下りの特急が先週の日曜日（26日）に友部～内原間で自動車に突っ込まれた特急ときわ51号か、これがひたち野うしく駅で人身事故のときわ53号と、つい見てしまふ。取手駅から利根川を渡り千葉県に入るところで雪の富士山拝む。この画像より肉眼ではもつと大きい。取手宿で富士山が山裾から、と驚いたが武蔵野は原野で、この方角からだと丹澤の山並みも邪魔しないやう。

日本橋高島屋。今日から朝日新聞主催の〈現代書道二十人展〉で会場間際でかなりの混雑。水府から吉澤鐵之といふ書道家の出展あり。高島屋に浅草梅園の出店あり好物の豆かんをいたゞく。

銀座に行く途中〈そばよし〉の京橋店でお昼にしようと思つたら正月休み。このあたりドトールコーヒーから吉野家まで全滅。日本橋から京橋にかけて中央通りは箱根駅伝の復路10区でコース整理のスタッフが準備始めたところ。ランチは結局、並木通りのランチメニューとあるイタリアンで軽くお昼を済ませやうと入つたらサラダと小ぶりのパスタで1,600円。

トラヤ帽子店。『銀座百点』12月号にトラヤの広告で見たカシミヤのニットキャップを購入。アタシは短髪で冬場は自宅にゐても頭が寒くて、これは良い。田中小実昌。お店の方は若い方に代替はり？してゐて面識もなかつたが話してゐて「古参のお客か」と思はれたやうで丁重にあしらはれるのも銀座ならでは。本当はもつと帽子をかぶりたいのだけれどマスクをするやうになつて帽子とマスクじゃ煩いので帽子をかぶらなくなつてしまつたのが残念。

銀座四丁目交差点の和光角のショーウィンドウで9075の意味は何ぞや？と思つたら本館竣工＝時計台出来て90年で服部時計店の小売部門から「和光」創立75年の由。誰もそこまでピンと来ない。この建物のPX接収解除は昭和27年で今年で70年。だが昭和27年がもう70年前なのかと思ふとあばからべっそん。

観世能楽堂。旧銀座松坂屋がギンザシックスで地下には大きなエノテカ酒屋あり期待の外国人客はゐないが景気よき邦客でかなりの賑はひ。グラスでも数千円のワイン飲む客少なからず、こゝだけバブルの如し。その更に地下に能楽堂あり。観世会の一月定期能。ご宗家の〈翁〉。今日のお席は脇正面で、この不思議な〈翁〉の舞ひは正面からもう一度きちんと見てみたい。翁のあとの三番叟から鈴の段の舞（本日は三宅右矩）を見てゐて当時のこれは今でいへばEXILEであつてEXILEのメンバーがこれを舞つても身体表現として面白いのでは？なんて思ふ。狂言〈塗附〉のあと梅若実師の独吟〈竹生島〉聴き入る。村上湛君が好きだといふ〈草紙洗小町〉は成程これは面白い。脇正面といつても一列目で一松角から２つ目の席だつたので小町の動きは面白く拝見できた。祝言〈岩船〉まで途中、仕舞が７つ入つての４時間半。この充実に比べると何うしても三部制の歌舞伎から足が遠のいてしまふ。三が日も今日まで。

帰宅しておせちの残りと雑煮を食す。おせちは子どもの頃から苦手で、殊に紅白なますと昆布巻きがダメなのだが「おせちにはそれぞれの具材に何やら意味があるのだから少しでも食べないといけない」なんていはれると……。それが小学生のころの一時期、家で歳末まで家業も忙しく、おせちの用意などできないとなつたときに銀座アスターの中華おせちセットが現れて当時、１万円超えに驚いたものだが、これが美味しくてエビチリとかクラゲだとか当時はまだ珍しい具材と調理が美味しくてお正月の楽しみになつた。今では家人がアタシの苦手な紅白なますも昆布巻きもなくおせちを用意してくれて出来合ひのものも少なくないが伊達巻も美味しく黒豆は築地の山本商店のもので、これも美味しくいたゞくことができた。赤身のマグロはおせちによいアクセントになつた。

香港の網上メディア〈眾新聞〉が突然の組織解散と停刊を決定。それを嬉し可笑しと報じる大公報。この〈眾新聞〉は５年前にベテランのジャーナリストにより組織され香港電台やケーブルテレビの中国組など早期退職（事実上の解雇）の記者らも加はつてゐたが蘋果日報、立場新聞への弾圧で記者の安全保障できずと。もうこれで香港の反政府系メディアは一掃され香港は政治的安定の安全な環境に。

先日、立場新聞高層の一人として身柄拘束され保釈されたデニスがネット配信ライブ開催。尊子の漫画（明報）は「新年快楽」が「新聞快落」と報道の自由迫害を揶揄。