富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

東京五輪まであと4日


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香港といへば劣悪な住居環境で「籠屋」と呼ばれる檻のやうな寝台一つの貸し間まである。新政府はかうした貧困の生活を英国植民地統治の悪例として香港の民生改善に希望を託す。中央政府もこれに積極的で、と大公報の提灯記事。そも/\かうした生活者たちは大陸での中共圧政を逃れ香港に押し寄せた難民の成れの果てで英国統治の実害ではなく中共のそれのはずなのだが。いずれにせよ香港の暴動が圧制されたことで社会治安が回復し経済も好調で今後の香港経済の発展が期待される……といふが香港の株式市場(恒生指数)を見ても暴乱期(2019年)に株価下落は生じてゐない。むしろ暴動収束後の昨年の国安法施行に向けたころのほうが市場は冷めてゐたのだが。

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奥寺淳「国安法1年 香港のいま」(朝日新聞)はこの政治的しめつけが香港経済にどのやうな負の影響があるかを懸念する。

中国本土と比べ法人税所得税が安く貿易や資本取引の制限もない。香港ドルの対米ドル為替レートを安定させる独特の通貨制度もある。外国からの対中投資の約7割が経由するゲートウェーとしても機能している。経済成長を至上課題とする中国共産党にとって香港は最大限活用すべき都市だ。彼らに言わせれば「香港でどんどん稼いでください、ビジネスは自由です」ということだろう。

と香港の経済条件の魅力があれば政治的なマイナス面など相殺できるものと彼らは真剣に考えてゐるのだから。

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茨城の県北、瓜連(うりづら)にある「あまや座」といふ映画館を訪ふ。茨城に唯一の自主独立経営のミニシアタ。この映画館にデニス=ホーのドキュメンタリ"DENISE HO - BECOMING THE SONG"が掛かつた。東京でやつと見られるか、と思つてゐたので地元での、それも小さな町内での上映には驚いた。さすがあやま座である。


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民主化運動の先頭に立ち国連の人権問題公聴会にまで出向いて香港の民主化弾圧を訴へたデニス=ホーが国安法で逮捕収監されてゐないのが不思議なくらゐ。この映画の上映すらできなくなつてしまつた香港。この映画についてはさすが市川速水さんが朝日新聞のウェブ論坐にきちんとしたレポートを書かれてゐる。

市川速水「香港のスーパースター デニス=ホーはなぜ民主活動家に変貌したのか」(論座)

カナダに移民した香港家族の内向的な少女が歌が好きでアニタ=ムイに憧れ単身香港に戻りアニタの妹分として歌手として人気が出るなか自分の個性をどう発揮するかに悩み、そして政治的メッセージは自分のセクシュアリティのことなど、そして民主化運動への加担……それをこの90分に満たないドキュメンタリフィルムはじつに見事に描いてゐる。「香港に自由を」が強調されるが、それ以前にデニス=ホーの魅力に誰もが惹かれてしまふだらう。なんて魅力的な人なのだらう、と。それにしても、この映画に映つてゐる何人もの活動家らが今は収監中。デニスを語るコメンテータ役の著名弁護士で元立法会議員のMargaret Ngもその一人。いつもFCCのバーで誰か相手に見事な政治分析を披露してゐた彼女まで。そして元財政司のJohn Tsang(曽俊華)が「公正な立場で」雨傘運動からの状況をコメントしてゐるのが印象的(これに出演してゐるだけで中央政府には睨まれ、もう行政長官候補にはなれないだらう)。この映画上映すらできない香港とは。

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映画のあと瓜連から東に台地を下り久慈川を渡り金砂郷村の藤田十文字から蕎麦ところ「佐竹」に。佐竹氏の古来からの陣地で旧佐竹城のふもと。水府の秋蕎麦が実に美味い。 ジョイフル本田ひたちなか店まで東海村とか道路のコンディションの良さといつたら。先日、掛け花入れは気にいつたものを入手してゐたが花籠釘を買ひ求める。床の間の柱に位置を決めて釘を打つ。床の間の下手側壁に照明のスヰツチなんかあつて目障りなので掛け花入れでそれの目隠しにもなる算段。花籠釘も上質のものになると1本数千円もするとは奥の深い床の間の世界。


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陋宅集合住宅のゴミ収集場所でアタシがそこの当番ぢゃないのだが時々「困ったゴミ」があると誰も片付けないので公益心あふれたアタシが片付ける。今回1ヶ月も放置されてゐるゴミは「燃えないゴミ」の袋に入つてゐるが市役所の分別ルールに則してゐないため収集拒否され、そのまゝ。ゴミ袋2つを陋宅に持ち帰り玄関で分別やり直し。見ず知らずの輩が放置した汚いゴミを片付けるのも最悪だが「燃えないゴミ」は極端に汚れたものや腐蝕品はなかつただけでも幸はひ。

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朝日の文化欄。追悼で寺内タケシを語るのがChar で、ジャズの原信夫はナベサダである。その上に半生記自己語りが江口寿史先生とは!

東京五輪まであと5日


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米政府が香港での事業に「データ管理などにリスク」と警告(朝日新聞)に対して「廃紙一張」(米国の制裁は下らない紙切れ)と罵倒する中共東京五輪は選手村内で感染と日本の防疫失守を嘆く。この五輪が中国でだつたらどれだけ完ぺきな感染対策を成功できるか、とマジに思つてゐるだらう。実際にその通りだ。資源もない日本にとつて唯一のセールスポイントは仕事への緻密な取り組みとシステムの正常さだつたのだが、それが崩壊してしまつたのだから。五輪で感染はもう驚かないが大きな事故、それもヒューマンエラーによる、が起きないことをたゞ祈るばかり。


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東京五輪に向け香港隊も出発。香港が中国と別に選手団送つてゐるのは香港が中国の特別行政地区として一国両制がきちんと機能してゐる証左である。

IOC会長バッハ「選手活躍見れば感情和らぐ」国内の五輪懐疑論に言及「日本の方々には人生をかけて大会にくる選手たちを歓迎してもらいたい」と何様のつもりが妄言 https://t.co/UafqBmiXQT

台北プライベートアイ (文春e-book)

紀蔚然『台北プライベートアイ』(文藝春秋)読む。朝日新聞の書評(垣間見える台湾社会の魅力と闇|好書好日)で、この邦訳を知つたが2011年に台湾で刊行され話題になつてゐたといふが全く知らずにゐた。劇作家で大学教授でもある呉誠(ウ―チェン)が俄か仕立てで私立探偵に。初の依頼は他愛ない案件だつたが、全く関係のない台北でおきた連続殺人事件に巻き込まれ犯人と疑はれ自分の免罪を晴らすために真犯人探しに挑むのだが……とハードボイルドの推理小説としての設定は見事。台北の六張犂(りゅうちゃんり)の裏町・臥龍街を舞台に呉誠の母、妹や周囲の友人らのいかにも台湾人らしさもよく描かれ「へそ曲がりのインテリ丸出しの呉誠の屈折した世界観を通じて台湾社会の魅力と闇を垣間見ることができる」(朝日)。かなり物語で描写と説明がくどい長編で一寸食傷気味になりかねないが舩山むつみさんの翻訳がじつに素晴らしい。会話の節々に台湾語がそのまゝ残されアクセントにもなつてゐる。この長編を一晩で一気に読んでしまつたが(以下、ネタバレではないが推理解決に関はる点の記述あり)プロットから本題となる連続殺人事件への結び付けにかなり無理あり、そして推理小説として何よりも難点になつてしまつたのは連続殺人の猟奇的真犯人はいつたい誰だらう?と読みながら推理を楽しんでゐたのに真犯人はプロットからこの物語に、それまで全く出てこない別の人物であること。これはミステリーでルール違反だらう。

五輪五輪まであと6日


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国安法施行1周年のおざなりな記念検討会。愛国者納港の徹底。愛国者とは愛党であつて中共を支持せぬものは非愛国者となり香港の政治に関与できないばかりか排除される。今更「たられば」だが基本法23条立法さへしてゐれば今日の最悪な状況に至らなかつたのか。「反対」は実は賛成の裏返しでリスクも多く賛成のふりをしつゝ順応しない非積極主義ことが賢明なのかもしれない。NHKの朝ドラ再放送で〈あぐり〉を見てゐるが昭和10年無政府主義系の作家が弾圧を受けるなかカフェセラヴィのママ・世津子(草笛光子)も官憲から逃れるため上海に渡ることに。当時の日本に今の香港が重なる。それにしても世津子がエイスケ(野村萬斎)と燐太郎(野村宏伸)にコトの次第を吐露するのに待合で二人が芸者・鈴音を呼んでの座敷で世津子が次の間から障子のかげで話すのは有名なシーンだが「官憲の目を恐れて」にしても、ちとやりすぎ?


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家人がよく出向く超級市場の軒下にツバメの巣があつて他の巣はもうヒナも巣立つてゐるといふのに、この巣だけはもうずいぶんと大きくなつたヒナがまだ四羽、両親に甘えてゐるといふので、それを見に超級市場に寄る。ほんと、もう自分で飛べるだらう、巣立たないの?と不思議なくらゐ。この四羽にエサを与へる親ツバメの番ひも大変だ、こりゃ。


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笠間へ。水戸から笠間に向かふときは国道50号線を避け今日は山間の県道113号線で夏のドライブ。京都のやうな盆地の笠間は猛暑。笠間の県立陶芸美術館で今日から「土イジり」といふ多少夏休み向けの企画展始まり家人と参観。陶芸のさまざまな手法につきかなり本格的な解説と展示で期待よりも面白い。入館してすぐに館内放送で「たゞいま当館の参観者が150万人目に達し」とアナウンスあり。この「土イジり」は今日からで初日の開館直後にしては閑散としてゐると思つてゐたがアタシらから数人目の家族が150万人目でお祝ひ。かまど炊き?とかの電子炊飯ジャーが商品ださう。笠間焼でさすがに板谷波山の作品とまではいはないが笠間焼でもIH対応のご飯を炊く土鍋とかあるやうで、せめてそれくらゐにすればよいのに……といふのは150万人目逃したアタシのグチ。

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朋ちゃんの作品も展示あり。彼女は元々美術系の人だが陶芸は1992年に香港で陶芸教室に通ひ始め、最初は彼女のマンションに招かれご自身のお皿で料理を供されたり、それが10年過ぎて本格的な陶芸の制作に入り常滑にも住んで今ではもう著名な陶芸作家になつてしまつた。


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お蕎麦の「柊」で早めのお昼。ご亭主がとなりの畑でインゲンを摘んできて、それが天ぷらに。天ぷらがじつに美味しいけどたくさん盛られるので2人でせいろと天せいろをとつて天ぷらは半分ずつ。11時半くらいにはもう満席。陶芸美術館正門に近い「さかさ川」といふ陶器店が茶器や茶道具も置いてゐるやうで伺ひ床の間に掛け花入れを贖ふ。こちらでは茶道(裏千家)の教室もやられてゐるさう。


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日動美術館。 鴨居玲展-Camoyの生きざま(美術手帖より)参観。昭和60年鴨居逝去から早36年。日動では5年毎に大規模な鴨居の回顧展 -Camoyの生きざま-(明日まで)。初期のまだ二十代の自画像と絶筆となつた57歳のまるで絶望の淵の死骸のやうな自画像。鴨居玲といふ画家の生涯そのまゝのやうな圧倒的な展示に1枚1枚くたくたになるまで対峙する。参観してゐた老夫婦が「こんな絵を描いてゐたら、もう死ぬしかない、死が迫つてゐる」とぽつり。その通りだ。もうアトがないほど追い込まれたところで鴨居は描き続けてゐた。鴨居玲といふと銀座の日動画廊で評価高まり、その初回の個展が昭和48年と思つてゐたが鴨居と日動との縁は鴨居の姉の羊子が画家目指す弟(玲)のことを心配して友人の司馬遼太郎に相談。司馬は産経新聞(大阪)文芸部出身なので司馬が大阪の日動画廊を紹介した由。昭和44年で鴨居は41歳。アタシが初めて鴨居玲の絵画に接したのは、この笠間日動美術館で、まだ鴨居の生前だつたのか急逝の直後だつたのか。この美術館が改築される前のまだ小さな洋館だつたころ。それ以来、この笠間日動画廊鴨居玲の作品に再会のため訪れる。

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ドナルド=キーンによる鴨居回想「白いキャンヴァスとの再会」

鴨居玲といふと暗いキャンバス、悲壮感漂ふ作品の印象が強いが田中千代のための絵付け皿(左下)のデザインなんて本当に明るくて洗練されたモダニズム。広い鴨居玲展の会場のところどころに、参観者の気持ちを少し和らげるやうに、プロムナード的に日動所蔵の彫塑像とかが置かれてゐる。雑な配置のやうで背後の黒布に映る塑像の影をかなり意識してゐたり(右下)。


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笠間は茨城の小京都だなんていはれもするが、この美術館の竹林や丘の上からの市街の眺望など本当に京都のやう。

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佐白山のとうふ屋に寄りもめん豆腐とお揚げを贖ひ豆乳のアイスクリームを頬張る。水府に戻り近所の花屋にゆくと先ほど鴨居玲の作品にあつたやうな赤色のきれいなアルストロメリアがあつた。それと桔梗。


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照ノ富士と白鳳それぞれの十四連勝を見とゞけながら花をいける。

白鵬 横綱相撲とつて! 対正代戦、あれ何? 小兵力士なら許されるけど炎鵬に倣つたか。勝てば良いのは横綱ぢゃない あれぢゃ晋三の長期政権と一緒だよ、まったく!

八角理事長(元横綱北勝海)も「奇襲は弱い方がやること。これだけ優勝してゐる横綱があゝいふことをしてはいけない」と苦言を呈す。

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菊正宗より届いた納涼日本酒セット

パサージュ論 (四) (岩波文庫 赤 463-6)

第1巻を通読しただけのヴァルター=ベンヤミンパサージュ論』(岩波文庫)で次は第4巻だけつまみ読み。この巻のインデクスが「サン=シモン」「鉄道」「フーリエ」と「マルクス」とかで他よりも一寸興味があるもの。市立図書館で借書したのだが2003年の初版で借り受けたのは今回のアタシが初めてだつたみたい。ベンヤミンの記述(ノート)はテキストの面白さではロラン=バルトのやう。かなり分析は見事だが「鉄道が歴史上に残した刻印は、それが最初の―そして外洋航路に使われた大きな蒸気船を除いてはおそらく最終的な―大衆をまとめて運ぶ交通機関であるということである。郵便馬車も、自動車も、飛行機も小さなグループの旅行者を運ぶにすぎない」なんて「予言」は外れても愉快。でも「おそらく」としたのだから賢明(飛行機があんなに大きくなるとは思ひもしないだらう)。

サン=シモンとマルクスの間にある注目すべき相違点。サン=シモンは搾取される者の数を可能なかぎり多く算定している上に、ここに企業家も含めている。なぜなら企業家も融資者に対して利子を払うからだという。これとは逆にマルクスは、たとえ搾取の犠牲になってはいても、なんらかの形で搾取をしている者をすべてブルジョワに数えている。

(自己疎外について)労働者は資本を生産する。資本は労働者を生産する。したがって労働者は、彼にとって疎遠な資本のために存在するときにのみ自分自身を、そして…彼の人間としての所属性を生産するのである。…労働者は、自分が自分に対して資本として存在するときのみ、労働者として存在するようになるのである。そして彼は、資本が彼に対して存在するときにのみ、資本として存在するようになるのである。資本の存在がの存在であり…資本が彼の生活の内容を彼に無関係なやり方で決定する。…生産が生み出すのは、…非人間化された本質としての…人間である。(カール=マルクス

「芸術の自律性の起源は、労働の隠蔽にある」と断じた、この▼の記述。

ヴァーグナーについて)ヴァーグナー管弦楽技法は…美的な形姿から〔より適切にいえば音の美的形姿から]音が直接的に作り出す部分を追放してしまった。…なぜハイドンが弱奏のときヴァイオリンにフルートをかぶせるのかをはっきり理解する者がもしもいるとすれば、その人間はおそらく、なぜ人類が何千年も前に生の穀物を食べるのをやめてパンを焼いたとか、なぜ人類は自分の道具をピカピカに磨き上げるのかを知るための手引きを手にいれられるのだろう。消費物においてはその生産の痕跡は忘れられるべきものなのである。交換する人間は消費物を作ったのではなくその物の中に含まれる労働を領有したのだということを露わにせぬために、消費物には、そもそもがもはや作られたものではないかのごとき外観をもたせねばならないからである。芸術の自律性の起源は、労働の隠蔽にある。

東京五輪まであと7日

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明報の東京五輪特集記事の見出しは「奥運倒数7天蒙陰霾」で文字通り「奥林匹克運動会まで7日で空に暗雲漂ふ」なのだが「陰霾(インバイ)ガ蒙ス」で漢語の表現は実に見事……と感心してゐる場合ではない。

なんで東京五輪ってこんなに全てがダメなのかしら。何一つまともに評価できるものがない。

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関東地方も梅雨明けださう

【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛 (新潮選書)

池内恵サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』(新潮選書)読む。相変はらず自分が何故にこの本を読まうと思つたのかすら不明。浅学ながらおそらく相対性理論以上に、この「サイクス=ピコ協定」は名前だけ知つてゐて実は何も知らないとふと気づいたのだ、きつと。中近東といふと御多分にもれず「サイクス=ピコ協定」で約100年前に英国とフランスが勝手に線引きをして第一次世界大戦後に英仏にロシアや西欧列強がオスマン帝国の領域を勝手に分割して、だからそもそもサイクス=ピコ協定がおかしいから……と認識してゐるのだが、それしか知らない。そもそもそれが正しいのか。英仏が勝手に線引きしたのは事実だが、かりにそれがなければ民族や宗教、地理的条件できちんと中近東の人々の棲みわけができたのか……といふと世の中そんなに簡単ではない。朝鮮半島問題は日本の植民地化が諸悪の根源で、あの侵略さへなければ南北分断もなく……みたいな。この本が書かれた2016年時点で、当時このサイクス=ピコ協定を否定して新しい治政地図の描き直しに挑んだ「イスラーム国」(さう、当時はまださう「国」と呼ばれてゐたIS)だつたがISの動きで中近東情勢はさらに混迷の度合いを深めてゐる(我ながら陳腐な表現……)。もはや政治とか地政学とかではなく、もしかすると「近代」の失敗なのかもしれない。それ以前のオスマン帝国当時の社会が人間の限界だつたのかも。この本はそこまで書いてゐないが結論などでない中近東情勢の分析の最期に映画〈アラビアのロレンス〉についてかなりの頁を割いてゐるのが印象的。アタシらが知つてゐるロレンスが駱駝で砂漠を疾走して中近東のなかで活躍する、あの場面ではなく当時の中近東をめぐる政治的背景がきちんと描かれてゐて、そこが商業映画なのにじつに面白いといふ。なるほど、とは思ふが、それでもそれで、中近東問題は何も解決はしない。

▼中国のGDP7.9%増(2021年第2四半期)なんださう(左下の大公報紙面)。第1四半期が「疫禍退散」で18.3%と高値で、それより当然の減速だが、これで今年上半期は12.7%に。中国の経済成長率なんて所詮、中共の匙加減次第といふ見方もあるが(きちんとした研究者の言を借りれば)中国のGDP計算式は「生産」根拠で日本や諸外国の「消費」根拠よりも「安定しやすい」。消費と生産で前者の増減は顕著だが後者は「倒産しないために」生産は続ける(長期的に見れば二者の統計方法に大差はないが一長一短)。いずれにせよ1四半期でそのまま比較は愚の骨頂。PPP(購買力平価)でGDPを見れば中国は2014年にすでに米国を超へ昨年はすでに米国の1.5倍ださう。だから専門家は中国GDP云々を論題にしない。これを高らかに誇るのは中国そのものだけか。


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▲深圳は华强(……それにしても馴染めない地名)にある72階建の超高層ビルの「揺れ」(日テレNEWS24)は「また中国で建物倒壊か」と背筋寒くなつたが中国の専門家によると、この揺れは異常なものではなく屋上に設らへたアンテナ?の「桅杆」つまり帆柱(マスト)が風圧によつて撓り制動装置がないため、その力が建物にかゝり2.12Hzの共鳴で大厦全体が撓つてゐるもので、この揺れは地盤に吸収されるのださう。その「桅杆」解体の改善工事をすれば揺れはおさまるのだといふが。

東京五輪まであと8日

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スガが総辞職したところで次の選択が晋三再登板しかないとしたら悪夢の二乗でしかない。小林節先生曰く「自民党はもはや保守ですらない」。自民党はゴロツキ政党に成り果てた。節先生や佐伯啓思先生がリベラル保守と思へる地軸のズレ。

スガがバッハと首相官邸で面会「難局を乗り越える大会、世界に発信」:朝日新聞 https://t.co/0vUPSkd716 難局乗り越えるだけの実績なんてゼロなんだから世界に何も発信できないだろーが!スガの全てのコトバが踊つてゐる。晋三もウソばかりだつたが晋三はバカだから少なくても自分の詞には「自分はさう信じる」といふ信念があつた。スガにはそれすらない。目クソ鼻クソみたいな選擇だが晋三選ぶなら「ダメなだけのスガ」の方がまだマシか……こんなことしか選擇がないとは。

(来日選手団対応)空港もホテルもまるでダメ:朝日新聞

(空港)水際対策の現状について国の担当者の一人は「選手団と一般客の完全な遮断は不可能だ」と認める。選手を迎える空港関係者の一人は「選手団の突然のキャンセルや予定にない来日はしょっちゅう。急に予定にない数十人規模が来たこともあった。組織委やホストタウンなど、どこが予定を把握しているのか、よくわからない」と明かした。

(ホテル)出入りする大会関係者がそれぞれ「入国何日目なのか、ホテルの側では把握していない。そもそも我々の仕事ではないですし」と大会関係者を受け入れる都内のホテル支配人は打ち明ける。ホテル玄関には組織委から派遣された警備員がおり大会関係者の行動を見ているが「全員をチェックするのは現実的でないのでは」と支配人は見る。組織委の対応にも不満がある。「入国者と国内在住者で玄関やエレベーター、食事会場を分けるように」などと要望があったのは6月下旬。対応できたのは客同士の接触を減らすために簡易チェックインを導入したことと、大会関係者と一般客で朝食の時間帯を分けたことくらいだ。「なるべく協力したいが、すべては無理です」

本日の東京都の感染者数は1,308人。五輪開会までに2千超へは如何に。

サイゼリヤ社長が従業員に「選挙へ行かう」:朝日新聞 https://t.co/VFOxB5udvJ 酒類販売をめぐる政府の一連の対応について「かういふ状況をつくつたのは政治家だけなのか。実は我々にも責任があるんぢゃないか」。必要なことは権利… https://t.co/mQaonLYfzd 御意。

日本が立憲的な法治国家である以上、行政府の行為は、国民や立法府からの批判的検討を受ける必要があります。その行政活動には法的な権限があるのか、その権限を行使することに正統性があるのか。自らが任命拒否した行為について国会でそれらを正面から答弁することが、説明です。首相が「人事の問題なのでお答えを控える」と言うとき、彼は「なぜ外されたのか分かるよね?」と目配せをしているのだと思います。自民党を批判したからだろうとか、政府批判にかかわったからだろうとか。国民がそう忖度することを期待しているから、説明しないのでしょう。忖度を駆動させない対策が必要です。

加藤陽子先生のやうな常識が反政府の左傾思想と認識されるキチガイな世の中……福岡伸一先生のドリトル先生ものに毎日、精神安定がため救はれてゐる。

私は泣きそうになりました。でも私は涙を堪えました。泣いてもしかたがありません。自分で考えることが大切です。

〈どんなときでも、どんなことにも、かならず解決の糸口というものがある。それを落ち着いて考えるんだよ〉

そう、ドリトル先生はいつも言っていたではありませんか。

〈まず、よきことをリストアップしなさい。それからすべきことを優先順位の高いほうから書き出すのだ〉

書き出す。そうです。私はひとつよきことを思い出しました。私は着ていたコートのボタンを外して、コートを脱ぎました。その下に私はちゃんと自分のリュックサックを鼓笛隊のように後ろ前に抱いていました。この中にはノートと筆記用具、それから当座の必需品を入れていたのです。私はまず雨で湿ったコートを近くの枝にひっかけて乾かすことにしました。それからリュックからノートを出し、そこに「よきこと」をリストアップしてみました。

〈よきこと〉

・ぼくはまだ生きている

・怪我もしていない

・ここはそれほど暑くも寒くもない

・リュックの中のもの:ノート、筆記用具、実験器具(ピンセット、小さなハサミ、メス、針)、捕虫網、水筒とその中に水が半分、非常食のナッツが少々、タオル、ロープ1本

・希望(ドリトル先生もきっとどこかで生きている)

朝日新聞の連載で福岡伸一先生のこの物語を毎日楽しく読んでゐる。これはドリトル先生の助手、スタビンズ君君の手記といふかたち。さういへば小学生のときも毎日とても嫌なことが多くてお腹が痛くなつてもドリトル先生物語とか読んで少し元気になつてゐた。当時は「元気をもらふ」なんて陳腐な表現はなかつた。それにしてもシャーロック=ホームズでもバットマンのブルース=ウェインでも明智小五郎でも、みんな独身で先生方に憧れる有能な少年助手がゐるのかしら。

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リンテイは在港の中央政府直轄の国安公署と香港警察の国安警察を続けて慰労訪問。香港市役所ではほぼ政務司長トップにした立候補者資格審議会の初会合。保安警察、元律政司に元立法会議長、中文大学元学長……これで警察、司法、立法に学術界と見た目バランスが取れてゐるがどんな資格審査するかは一目瞭然。

下筆趨難時局依舊 王永平封筆 寄語新時代港人保持良知善性 - 明報

香港政府の政務官出身の知性派・王永平氏が香港紙「am730」の連載を断筆。

嘅報章專欄2009年10月中面世,佢噚日喺專欄提到,近日佢最縈懷嘅,係港人喺國安新時代下如何安身立命,佢之前提出3點意見,包括如常生活、留意時事和獨立思考;佢就想加多一點:保持與生俱來的良知善性。佢話身處國安政治嘅大洪流,有人睇到機遇,更多人感到迷惘、無力、不安,但佢覺得只要絕大多數港人,特別係治港嘅「愛國者」對人處事時秉持良知善性,佢相信香港最終可走出困境,再次成為世界一顆璀璨耀目嘅明珠,但同時話「實事求是,這個願景不會在未來5年內見到」。王永平話離開政府後無參與政治活動,評論時事係希望政府施政改善、惠民,又強調完全支持鄧小平設計嘅一國兩制等,指身為中國人,佢希望國家樹立世人景仰嘅文明、民主、道德典範。

王永平自身が民主化運動といふ名の反政府運動に何か加担してゐたわけではないが、もはや何かしら現行政府に疑問呈するやうなことあれば「モノ言へば唇寒し国安法」なのである。

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香港書展開幕(ちらつく警察の影)明報

東京五輪まであと9日

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区議会議員宣誓の徹底につき意気揚々と語るリンテイ。香港政府の英才はもはや化け物になつてしまつた。逆権運動については強硬強圧といふ批難にも法に基づく厳正な対応が求められると姿勢を変へぬリンテイが政府。それで71警官傷害で自害した抗議者讃へた香港大学自治会処分は徹底。それに対して保安局に属する上層役人の中共企業会食については行為に不適切な部分はあつたとするだけで処分見送る。前者は学生の言論活動、後者は公務員の贈収賄か?の行動。常識的に考へればどちらを厳正に処罰すべきかは明白。この2つの事象に対する措置が全く公平でないのだが化け物はもう冷静にそれを判断することはできない。

鄧炳強:無獲邀出席飯局 3高官已承受法例代價名聲受損 - 明報

保安局長の鄧某(元警察トップ)もすでに本人たちは名誉受損で代償を払つた、とこれ以上の処罰等せず。

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日本政府を見てゐてもスガの経済再生大臣・西村某庇護など同じといへば同じ。

スガが西村発言で陳謝、事務方から説明受けるも「具体的な内容は議論していない」:東京新聞

西村某は会見で金融機関などへの要請につきスガも出席した関係閣僚による会合で「事務方が説明していた」とするがスガは「要請の具体的内容を議論したことはない」と釈明。その上で「判断が正しかったかどうか」には「具体的な要請の議論はしていないので、そこは承知しておりません」。

あまりに身内を守るだけの権力ばかりで公儀は何処へ。

説き語り日本書史 (新潮選書)

石川九楊『 説き語り日本書史』(新潮新書)読む。アタシたちは「日本語は漢語と倭語から成る」ものであつて、先づ倭語ありきで倭語は無文字だつたところに大陸から漢字がもたらされ倭語の音に当てた万葉仮名を用ゐて、そこから仮名が生まれ今日の日本文に至る……と思つてゐる。しかし九楊先生は日本の言葉の歴史はそんな生易しいものではなく倭語の世界に文字と文明をもつた高水準の中国語が流入して前日本諸語は大きな変質に曝されて中国語がのしかゝるやうに言葉が整理、変形されて、そして新生和語としての日本語が生まれた……とする。確かに中国からの中国語文字の流入で前日本諸語は負けて消滅してもおかしくないのに、それが生き延びたといふことは、とんでもないサバイバルがないはずがない。それでもかなりの譲歩が必要だつたわけで、そこで和語はかなり重要な場を漢語に譲る。例へば「わたしは文字を書く」といふ文を見たときアタシたちは「わたし」は和語で「文字」は漢語、そして「書く」は和語といふやうに日本語は倭語と漢語の複合体と見るのだが、じつは「わたし(私)」は漢語で「文字」ばかりか「書く」も漢語。諸橋文法的に見れば「私」「文字」と「書」といふ漢語の〈詞〉に「は、を、く」といふ和語の〈辞〉がつなぐ二重構造が日本語であつて実は〈詞〉だけで意味は通じるのは中国語ばかりか手話!もさう。そんな冷酷なほどの文字の「調和しあへない調和」(とでもいへばよいのか)のなかに日本のことばがあるといふ緊張感を考へなければならない。書法の歴史もまずは「中国文字の擬似」があつて七世紀に聖徳太子法華義疏」、聖武天皇光明皇后の頃。そのあと「中国への違和感」から「中国書史の本流では見られないおかしな雑書体」(九楊)が書かれるやうになる。空海嵯峨天皇橘逸勢に代表される三筆がそれ。そして三蹟の小野道理、藤原佐理藤原行成になると中国の書法とは異なる、もはや日本の書になるといふ日本書史。

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橘逸勢「伊都内親王願文」(左)と藤原俊成「日野切」

かうした時代を経て平安のかなの書法の全盛を迎へ「絵画的な構成法」すら確立するのだが、それは四季の移り変はりや恋愛、心情などの詩歌、物語に限られるわけで、それは政治語や思想語が貧弱であるといふ日本語の致命的な特性になるわけで、それが今日まで続いてゐることを九楊先生は指摘する。さういはれるとスガの政治的言説の乏しさまでも、その流れにあるのか……とほゝ。では平安末期で日本の書法はすでに出来上がつたかといふと、そこに「宋の書の亡命」がある。元の登場によつて中国の体制や文化の一つの完成形である宋の文人や禅の僧侶らが日本に逃げてくる。そこで再び漢語の強烈な流入があるのだが大和朝廷の黎明期とは違ひ日本にはもはや日本の文字空間が存在したので、この時に入つてきた漢語の文字たちは日本語の中における漢語的書空間で確固たる立ち位置に収まることに能ひ<唐様>となり、和様の日本文字と中国文字の複合の完成に至る、と。 

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副島種臣「春日其四句」

そのあとの時代についても書史は続くのだが明治に入ると、この種臣卿の書ともなると、もはや「クレーやミロの絵画を思わせる」(九楊)近代ぶり。そして中村不折らとなるのだが本来ならこの最期に石川九楊といふ現代の最も優れた書家に至るのだが九楊先生ご本人の著述なのでご自身については語らず。それにしても面白く通読できた一冊。これは九楊先生の『説き語り中国書史』に続けて読んだもので『中国書史』については先週の日剩(こちら)に感想残しておいたが書き忘れたことが一つ。中国書史については近代について触れられておらず、やはり近代中国の知性としての郭沫若と知性もなにも風雲の如しで毛沢東の書法についてはぜひ九楊先生の見立てを読みたいものだつた。九楊先生が毛沢東の書について言及してゐないはずがない、と思つて探してみると『書の宇宙』22号で「世界を軽んず―毛沢東における狂草、そして楚辞」あり。タイトルだけでも身ふるひする。

東京五輪まであと10日


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駱駝牌(キャメルブランド)は香港の魔法瓶メーカーで生活に定着してゐたが古臭いでデザインで日本製など性能の良い真空ポットにシェアを奪われてゐたがノスタルジックなレトロデザインが再評価され当時のデザインのまゝ新製品を出して売上げ回復。大公報がこれを好意的に記事にしてゐるが背景には中国に対する「メイド・イン・香港」が脚光浴びたわけで香港生まれ育ちの本土派的な集団回億の象徴がこのキャメルブランドなのである。再生産になる前にアタシも駱駝牌のステンレス茶杯が好きで、昔ながらの家庭用品店に駱駝牌が他にもホコリかぶつて在庫があるのを見つけると買つてゐたら、それなりのコレクションになつてしまつた。

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東京は今日から4回目の緊急事態宣言。もはやこの宣言にも集団免疫できて日常は宣言前と何も変はらず。東京都の呟板(英語版)で「東京は緊急事態宣言で通勤の満員電車もご覧のやうに閑散」と呟いてみせたが、この右の国電の画像は昨年4月の初回の宣言時のもので、これは明らかに虚偽。これが指摘されて東京都はこの呟板を慌てて消去して素知らぬふり。経済再生担当の大臣・西村某の「酒類提供続ける飲食店への金融機関からの圧力」発言は本人が撤回してはみせたが、あれは実はこの西村某の勝手な判断ではなく関係省庁で事務方の小役人が内容すり合はせしてゐたものを西村某がうつかり公言してしまつたものらしい。自民党と政府は酒の販売業者に対する取引停止依頼も撤回。飲食店で酒類提供禁止することくらゐしか感染抑制の対策がないのだから絶望的。その上、飲食店と酒販売業者脅す側の国税庁で職員が自粛要請されてゐる飲み会をやつて感染とは。

東京五輪に向け選手村が地味に開村。何事にも「入念な準備とリハーサルが大切」な日本であと10日でいつたいどんな準備ができるのかしら。感染よりも何か事故が怖い。スガは五輪入国者に対して徹底的な感染防止と宣つたが海外からの取材のマスコミもホテル待機など行動制限されるはずが築地あたりぶらぶら散歩してゐたり感染防止など実際には無策。これで感染者でも出たら「そら、見たことか」だが政府にとつての唯一の確実な手段は「PCR検査などできるだけ感染発見機会削減」で感染者を見つけないことだらう。

読売新聞世論調査:内閣支持最低37%で横ばい・緊急事態「効果ない」56%

読売新聞の調査で、である。支持しないは53%で東京都に限ると支持は28%と更に低調。これで選挙に挑むのは野党も力不足とはいへ自民党もさすがに怖れるところ。

▼昨日、水戸市内原のイオンで家人の買ひ物を待つ間、ちょうど「お客さまの声」が丁寧に掲示されてゐて、それを読んでゐたら「新型コロナウイルスは従前からのインフルエンザよりも死亡率もリスクも低いことは明らかなのに、なぜここ(イオン水戸内原店)がワクチンの大型接種会場なのか、さういうことに協力は不要」といふ声あり。

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