富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

NHKスペシャル「香港 市民と“自由”の行方」


f:id:fookpaktsuen:20201018092004j:image

f:id:fookpaktsuen:20201018092000j:image

(大公報)香港で就職難と若者の失業の深刻さ。5万人が「外賣仔」。茶餐庁のデリバリーで糊口を凌ぐといふ。(蘋果日報)雨傘からの民主化運動家の「王叔母さん」は深圳にも住居あり深圳で公安に身柄拘束され2年間の過酷な取り調べ。

f:id:fookpaktsuen:20201018182218j:image

朝風呂。半身浴もさすがに上半身が肌寒く手桶も必要かと思つて入手したのはケロリンのもの。水府の旧市街は商店街も壊滅的な上に(コンビニは辛うじて点在こそするが)超級市場だとか電球一つ切れたときの街角の電気屋とかスリッパ一つ売つてゐる雑貨屋や金物屋が不便。大工町のといふと広いが(旧町名でいへば)藤坂町と信願寺通の角にサンユーといふ超級市場があり支店名が「まちなか」だが旧市街の住民にとつてはライフライン。多少郊外で自動車があれば生活も方便だが旧市街に取り残されたのは老人ばかりで今朝初めてサンユーに行くと本当に傘寿は優に超へた年寄りばかり。昔であれば家族が世話をしてくれ商店街も賑やかで近所の八百屋でも雑貨屋でも電話一本すれば配達してくれたのだから今よりずつと便利だつたのだ。オンラインで商品を注文して運送会社が宅配してくれて、これが「便利になつた」のではない。それにしても旧市街の老人ばかりの過疎化をまざまざと見せられた感あり。

f:id:fookpaktsuen:20201018182157j:image

買ひ物済ませ陋寓近くの花屋で一輪挿しに花を購ふ。今月朔日に引っ越して、その日にこの花屋で求めた花がだいぶ疲れてはきたがまだきれいに咲いてゐる。

秋のG1が始まる。今年春に桜花賞オークス制したデアリングタクトが本当にジェンティルドンナ、アーモンドアイに続き史上6頭目三冠馬になるのか、しかもデアリングタクトはそれに「無敗」といふ史上初の快挙がつく。それを応援すべきなのだが「その期待裏切る悪魔」がゐるのではないかしらと邪念にとらはれ春にフローラ1着でオークスは2着と善戦のウインマリリンを軸に。結果、そんな悪魔はゐなかつた。デアリングタクトの栄光。今日昼過ぎにビックカメラのテレビが佐川急便で届き、この秋華賞のテレビ中継を見る。

f:id:fookpaktsuen:20201018182233j:image

長野のT兄が、このサッポロ赤星の抽選がありA賞の赤星初代ラベル大瓶を当てたといふ。私の馴染みの酒場も赤星。昨晩店に忘れたジャケット取りに伺ひ、この抽選あつたの?と尋ねると2週間前だかに、これが届いて常連でもう飲んぢゃつたよ、と。

f:id:fookpaktsuen:20201018182329j:plain

お慰めでいたゞいたステッカー

これが長野でT兄の当てたラベルの赤星。

f:id:fookpaktsuen:20201018182341j:image

昼前に母からLINEで今晩けんちん汁にするから来れば?と誘はれる。今はもう酒がないとわかつてゐたのでコンビニでワンカップ大(330ml )を求め、今日届いたレレヴィジョンに録画のために外付けHDDが必要だとわかりビックカメラでそれを購なひ母宅に還ると今日は妹が知己からいたゞいてきたさうな生の舞茸や乾燥大蒜を揚げてくれてゐた。


f:id:fookpaktsuen:20201018194948j:image

f:id:fookpaktsuen:20201018194953j:image

ゆつくりしたいところだつたがNHKスペシャルで香港の民主化運動の特集番組があるので食後に慌ただしく帰宅。

民主運動に関心高い若手ビジネスマン、その父親は「民主主義ではメシは食えない」とけんもほろゝ。この若者も土共政党民建聯に近づき商機を得やうと。倫敦に旅居の身の若者。これまで民主化運動に行為的だつたが、このまゝの混乱では商売にならないと割り切る商店主。つまり中共の勝ち。そりゃさうである。13億人の国を一党独裁で支配する政権と人口800万人の都市で政府に異議唱へる市民の対立なのだから。かうなると中共がその独裁で終焉迎へるのにしか注目できないが、それはまさか中共襲ふ民主化市民政権の誕生など期待できず、そこにあるのは混乱だけなのであらう。鄧小平がいふところの「日本に多くの中国からの難民が押し寄せ」がそれ。「だから抵抗すべきではない」なんてことは間違つてもいはないが中島みゆき〈世情〉が流れてきてしまふ、この感覚。この番組を外付けHDDに録画したはずが裏番で教育テレビで貝多芬生誕250周年記念関連の番組あり(こちら)録画はそちらになつてゐた。

秋は何処へ


f:id:fookpaktsuen:20201017072816j:image

f:id:fookpaktsuen:20201017072811j:image

香港にとつては新界の辺境は開発の価値もないから放置され、それが華南のマングローブの生態系として貴重な自然であり米埔の野鳥保護区のやうに世界的にも貴重である。それが対岸の超高層ビル立ち並ぶ深圳から見ると川幅も狭い深圳川の対岸に「手つかずの草茫々の空き地」があるのだから、これは勿体ない。そこを開発することで更なる経済発展を、と大公報。それは香港と深圳がともに発展なのではなく「一体化」なのである。蘋果日報が伝へるのは台湾で香港の民主派支援する「保護傘」で、その活動家に対して糞をかける嫌がらせあり。それの背景はよくわからないが台湾には中国の主権下にある香港のことに関はる必要もないといふ台湾の「本土派」もゐるのは事実。

f:id:fookpaktsuen:20201018182105j:image

猛暑のあと銀杏やポプラの葉が黄に色づく秋を楽しみにしてゐたのだが、それを飛び越してあつといふ間に冬の気配。朝は気温が摂氏10度近くまで下がり寒さで目覚めるほど。早晩に寄つた馴染みの酒場でも酒を熱燗に。だがかうして画像にしてみるといつもの常温でも熱燗でも変はり映えしない。さぁ明日は秋華賞で年末まで競馬が賑やかになる。

f:id:fookpaktsuen:20201018092027j:image

本日、中曽根大勲位の内閣・自民党葬儀。


f:id:fookpaktsuen:20201023133537j:image

f:id:fookpaktsuen:20201023133534j:image

オルガン潜入捜査@水戸芸術館


f:id:fookpaktsuen:20201016070918j:image

f:id:fookpaktsuen:20201016070923j:image

 (大公報)香港学生に対して大湾区での進学につき中央政府教育部が積極的に規模拡大。香港の大学は内地生増加で中文大学など数年前でも広東語より普通話が賑やかで驚かされたが学生会や大学評議会の学生代表にも着実に内地生が就任で香港の大学の内池化も著しい。(蘋果日報)国安警察が蘋果日報社主・ジミー黎智英所有の会社捜索。肥黎の反政府活動が米国支援あること何かしら証拠つかみたいらしい。

f:id:fookpaktsuen:20201017072947j:image

我が国は政府が2年後には原発処理水の海洋放出へもはや「最終」調整。読売などこの処理水海洋放出も風評被害の是正などと嘯いてみせるが福島を中心に漁業水産関係者からは、この放出でさらに漁業復興は遅れると懸念の声。それなら選挙で自民党にNoを突きつければ良いのだが地元の民意にもそぐわぬ政権を安定的に支持してゐるのも彼らとは。

f:id:fookpaktsuen:20201017001606j:image本日早朝の気温は摂氏12度。猛暑から秋を通り越していきなり冬である。何ってこつた。 早晩に駅ビルのビックカメラへ。先日購入した照明用のLEDライトが丸管で40型と32型のペアのうち40型だけが不正常。別の照明器具でも同様。この韓国製のLEDライトの取扱い会社@大阪に問合せると親切で40型を1本送つてくれて(返品も着払いで!)試してみたが同様。LEDライトにも照明器具にも問題がないことに。マンションの管理会社も親切で照明器具も取替へませうかと言つてくれる。購入したビックカメラに電話すると商品の交換・返品は8日以内だが事情話すと返品に応じてくれるといふ。ありがたい。それでビックカメラに来たのだが対応してくれた店員は親切で折角来たついでにテレヴィジョン購入。ほとんどテレヴィ見ないので大きな画面も必要なく、それでも居間が広いので32型は普通の感覚では小さすぎだらう。40型越へとか4Kだと価格も10万円からぐっと高くなるが32型だとポイントもあつて3万円とは。半世紀前に祖母がカラーテレヴィを始めて買つたときは24型だつたかで20万円超へであつた記憶。テレビ購入で伊豆のハトヤホテル2名様1泊ご招待だつたのだ。駅ビルでビックカメラ入口にあるチェーン店のつけ麺やはいつも行列の人気店だが珍しく行列に1人待つだけ。つけ麺を啜るのは人生で片手の指で足りるほど。昔、外苑西通りを自転車で走つてもホープ軒に入ることもなかつた。未だにつけ麺の美味さがわからない。つけ麺好きにいはせれば麺が美味いのならつけ麺が格別だといふ。確かに太麺で歯応へもよいのだが。


f:id:fookpaktsuen:20201017002347j:image

f:id:fookpaktsuen:20201017002341j:image

水戸芸術館で晩7時からの企画もの演奏会〈オルガン潜入捜査〉に滑り込み。エントランスホールのパイプオルガンを今晩は演奏だけではなく、まず構造から。本当は実際に自分がオルガンの内部に潜入してみたいところだが疫下さうもいかず。今回のコーディネーターとオルガン演奏は室住素子さんで東大を出て東京芸大でオルガンを学び水戸芸術館開館から10年以上だかは学芸員もされてゐた方。そしてこの芸術館のパイプオルガンはNHKホールのオルガンも手掛けた松崎譲二さん(マナ=オルゲバウ代表)がオルガンの構造開設。これに合はせ芸術館の学芸員男子がスマホにLEDリングライトつけてオルガン内部に潜入してWi-Fiで画像を飛ばし我々はスクリーンでそれを見ながらといふ趣向。実に面白い。パイプの材質の違ひ、3段の鍵盤とペダルに対してパイプがどこにあるかの構造、倍音を何う出すかの仕組み等々。後半は室住さんによる演奏。だが、これも趣向は今度はオルガン装置ではなくオルガンの楽曲にはめ込まれた仕組み。

①バッハのコラール前奏曲〈我ら悩みの極みにありて〉BMV641は題名に比べ曲はなぜ明るいのか。

メンデルスゾーンのオルガンソナタ第3番イ長調作品65-3

③デュルフレ〈アランの名による前奏曲とフーガ〉作品7

④ギルマン〈ヘンデルのテーマ「頭を上げよ」による行進曲〉

それぞれ宗教曲は詩扁の冒頭の歌詞が曲名に使はれるが苦悩で始まり最後は神の救済を受けらば曲は明るいものとなり、賛美歌のフレーズが複雑な楽曲の中でペダル演奏に隠されてゐたり、アラン(ALLAIN)といふ名をAからHに続けて順番に序列化して音にはめ込んだり。疫禍でもなければとても考へつかなかつた苦肉の策のイベントなのだらうが結果的に、そこからの発想でこれだけの企画ができようとは……芸術館の学芸員の企画力に脱帽。
f:id:fookpaktsuen:20201017072840j:image

女王様御年94歳。なんてステキなのかしら。王宮の外でのご公務は7か月ぶりだとか。ピンクのお召し物も美しいが、それに合はせたかのやうなベントレーのステートリムジン?のお色がまた素晴らしい。

▼政府成長戦略会議の初会合を開催で「民間から竹中平蔵」とは……平蔵のどこが民間なのだらう。

▼菅某動静(15日晩)ホテルニューオータニ。西洋料理店BELLA VISTAで自民の島参院議員何某らと食事に続き赤坂の秋田産食材の伊料理店「アガッテタンシェ」でZホールディングス社長何某、オイシックスラ大地社長何某らと食事。……今時お座敷二つかけもちの芸者も赤坂に珍しいか。https://t.co/IqIEKBBvBP

自民党にも昔は煩さ型の代議士が何人もゐたが今では村上先生お一人。保守とかリベラルではなく良識があるかないか。良識的に考えれば、で正論を述べられてゐる。

起きて半畳、寝て一畳


f:id:fookpaktsuen:20201015072947j:image

f:id:fookpaktsuen:20201015072958j:image

中共の言葉遣ひの妙にはいつも感心させられる。事実よりもプロパガンダが重要で鍛へられた技術。习近平在深圳。湾区にて「豊富な」一国両制を建設、と。一国両制は港澳に対する制度であつて深圳など経済特区とは異なり珠江デルタの大湾区にて一国両制はおかしいのだが、この「豊富さ」とは従前からの(つまり失敗した)香港での一国両制は否定された上で中共にとつては都合の良い一国両制ver2.0といふこと。また「全面拡大開放」といふのも中国の市場といつた話ぢゃないのだから大湾区一体化のための香港の取り込みを強めるといふ意味。


f:id:fookpaktsuen:20201015073044j:image

f:id:fookpaktsuen:20201015073050j:image

さういふ意味で今日の蘋果日報の1面トップは正確。习推大融合擺歪香港。香港の間違つた体制の矯正あつての大湾区建設。习近平の言葉を一句残さずノートにとる幹部ら……北朝鮮なみの独裁。そこで主導権握るのは香港ではなく深圳なのである(明報)。ウイグルも习近平政権になつて非イスラム化が邁進してゐる。

中共で子ども絡む犯罪増加理由に刑法改正12歳から刑事責任 なぜ少年犯罪が増加するのか?理由は学力重視の競争社会で負け組は救われないから。 https://t.co/LF8vnZomNL

この周庭さんの民主の女神化……まさに無邪気すぎる日本のマスコミ論調であつた。

f:id:fookpaktsuen:20201016071047j:plain

起きて半畳、寝て一畳

もう最低気温が早朝は摂氏12度。室内が寒いし「オール電化」で電気料金もばかにならぬので居住を和室にして籠る。

村上湛(劇評)国立劇場十月歌舞伎公演「魁春の延寿初役ながら見事」:朝日新聞デジタル

湛君がついに朝日新聞で歌舞伎の劇評ご担当。天野道映先生ももう八十半ばで交代か。湛君と出会ひ彼が歌舞伎座成駒屋大檀那の道成寺に日参されてゐたのが昭和末だと思ふと、もう三十年以上仲良くさせてゐたゞいてゐるが日本の古典文学、歌舞伎、能と自らの好きなものを本当に消化して自分の血、肉とされてゐるのだから友ながら大いに尊敬するばかり。

▼わが県が47都道府県「魅力度ランキング」で7年連続最下位脱出の由。知事はまだ伸びしろがあるといふが中途半端に魅力度C組にゐるのなら「最下位」こそ魅力のもとのやうな気もするのだが。住んでみると「ねちょっとした県民性」除けば住みやすいところである。 

f:id:fookpaktsuen:20201015073159j:image

茨城:都道府県魅力度ランキング7年連続最下位脱出


f:id:fookpaktsuen:20201014070403j:image

f:id:fookpaktsuen:20201014070359j:image

深圳経済特区成立40周年。アタシが香港から深圳に入り広州行きの緑包車に乗り換へたのが1984年で当時は羅湖に高層ビルは建ち始めてはゐたが、まだ/\鄧小平の改革開放のショーケースで実体感はなかつた。それが今では香港をも凌駕する大湾区の中心に。习近平は「大国としての中国」を担保に政治的締め付け厳しいところ今回の深圳特区40周年で深圳評価は「樹立新時代改革開放新標桿」人民日報社説表題)と鄧小平路線の踏襲で安定的な経済成長で更に习近平政権安定を狙ふところ。蘋果日報は香港フィル楽団員感染で接触者百人が検疫。今季幕開けで来賓だつた林郑市長は感染リスクどころか(习近平謁見で)北上の由。

f:id:fookpaktsuen:20201015072648j:imageSCMP紙は1面にバランスよく香港フィル感染、台風と习近平南巡の記事が並ぶ。习近平は海軍に対して戦争への備へを説くのは台湾への圧力。

f:id:fookpaktsuen:20201015073217j:image

突然出てきたが4年前に香港中環PMQで開催された日本の秋祭りだつたか。安部昭恵様ご来港。まだ森友加計問題前で当時絶好調。林郑も無難に優秀な行政長官であつた当時。右は香港総領事・松田邦紀大使(当時)。

f:id:fookpaktsuen:20201014223606j:image

一昨日、東京中央郵便局で投函の風景印押された葉書。さすが風景印の押し方も立派である。

f:id:fookpaktsuen:20201014223618j:plain

L'Occitaneでスヌーピーとのコラボ商品発売

本日G5対応のiPhone12発表となつたAppleだが先日のMacBook Air購入でMacBook Proをば下取りに出して当初の下取り見積りでは29,000円と出たが何うせあれこれ注文がついて減額されるのだらうと覚悟してゐたところ下取りは29,000円が満額となりあばらかべっそん。

f:id:fookpaktsuen:20201015073259j:image

iPhone12だがアクセサリでカバーにカードホルダーって何うよ? つねに時代の一歩先をゆくAppleはWalletにカードすらデータで取り込みApple Payでカードレスの世界を実現したのに今更カードホルダーとは。Steve Jobbs師なら、このカードホルダーなんて「そんなものサードパーティに勝手に作らせてろ」と一瞥で終はつてゐたと思ふのだが。

f:id:fookpaktsuen:20201015141815j:plain

茨城が都道府県魅力度ランキング「7年連続最下位」脱出:朝日新聞

……ださうである。今回の最下位は栃木で茨城は岐阜県と並び42位。44位から順に福井、佐賀、徳島と並び再会が栃木。目くそ鼻くその世界。茨城県知事曰く「42位ではなく、もっともっと伸びる県だと確信してゐる」と宣ふが最下位記録伸ばすほど話題性あるのではないかしら。

f:id:fookpaktsuen:20201014223627j:image

水戸の商法


f:id:fookpaktsuen:20201014003219j:image

f:id:fookpaktsuen:20201014003213j:image

周帝の突然の深圳行幸。深圳特区設立40周年ださうで深圳の発展祝賀。香港への当てつけか。折角なら香港にもいらっしゃってくれゝば良いのに。蘋果日報が報じるのは明日に予定されてゐた林鄭市長の施政方針演説が突然の延期。香港の経済再生政策につき中央政府と最終的なツメができなかつたとか中央政府の実は林鄭への不信感で内容のお任せに至らなかつたとか。いずれにせよ中央政府と林鄭の関係はぎこちない。昨日読んだ野嶋記者も指摘してゐたのは江沢民胡錦涛の勢力に対する習近平の香港での政治地図で選ばれたのが林鄭市長ゆゑ力量不足やミスリードなどあつても習は林鄭更迭となると自らの基盤にも影響ありで林鄭を庇ふしかない、と。
f:id:fookpaktsuen:20201014003325j:image
妹からいたゞいた日光は鬼平(きびら)の水ようかん。あっさりとしてゐて実に美味しい。朝からペロっと小さく切つた一棹頬張つてしまつた。


f:id:fookpaktsuen:20201014003349j:image

f:id:fookpaktsuen:20201014003400j:image

f:id:fookpaktsuen:20201014003355j:image

もう一つの今日のお楽しみは昨日いたゞいた麹町はローザー洋菓子店の焼き菓子。村上開新堂もあるし半蔵門の幸せ。これも美味しくて一つ頬張るともう一つ、と止まらない。これを受け取らせていたゞいたのがやはり焼き菓子も評判の銀座ウヱストだつたのが可笑しい。

晩にカーシェアで郊外のニトリで寝具などご調達。ニトリは店員が皆さん本当に親切で商品知識もしつかりしてゐて頼もしい。代表はガースーと懇意みたいだが。郊外の大型チェーン店がこれだけ頑張るから旧市街の商店街は振るはない。応援したいところだが水府の商家は殊に馴染みには親切だが一見さんには愛想ない。商売も自家のことしか知らないからチェーン店とかがどれだけ頑張つてゐるかもしらない。先日水府でも評判の老舗高級なクリーニング屋でシミの出てしまつたワイシャツ2枚を出して「普通にクリーニングしてみてシミが取れないやうでしたら別途シミ抜きを」といはれワイシャツ2枚で1千円以上取られ連絡待つてゐたが十日過ぎても一向に電話もこない。今日尋ねてみると1枚はクリーニング終はりシミが取れたのは良いが既に別途シミ抜きもされてゐて、それで1,650円。つまり普通のクリーニングと合はせて2千円以上。シミができてしまつたのは当方の責だが高っ。ワイシャツぢたい麻生太郎も贔屓のアスコット=チャンだから大切にはしたいのだが。そして吊るしでとお願いしたのに畳んであつた上に広げてみると袖の折り方がまぁ粗雑。そしてもう1枚の麻の開襟シャツは出てこない。探してご連絡します、で後日談だが翌日の昼になつても電話こないので、こちらから電話してみると「できてますよ」ですって。呆れて言葉もなし。もう一軒のクリーニング屋は、こちらはお安いチェーン店で、それが旧市街に小さな店舗あるだけでもありがたい。ワイシャツ1枚100円と廉価。だが昨日ワイシャツ2枚出すと400円だといふので何かと思つたら1枚はワイシャツで、もう1枚は襟なしのシャツで後者が「デザイナーズシャツ」で300円なのだといふ。シャツのクリーニングなどワイシャツこそ襟のアイロンかけなど手間がかゝりさうだが今ではワイシャツなど全自動化なのかもしれない。それにしても襟なしの実にシンプルなシャツがデザイナーシャツに分類されるとは。そこを店番のオヤヂに尋ねると「ワイシャツ以外はデザインシャツなんです!」と「それ以上面倒なこと尋ねるな」といふ表情と語気で不愉快さう。自分で洗濯するから結構、とシャツ引き取つたが不愛想にも程がある。おそらく店番のオヤヂは自分で安くウケてしまふと洗ひ物回収した親会社から「困りますよ、これ」と叱られるので微妙なものはすべてデザインシャツにしてしまふのだらう。それ以前にこれほどの不愛想も珍しい。先日寄つた茶舗では3か月前に賞味期限切れの抹茶を平気で売つてゐる。知らずに並べてゐたのならまだしも「いつお飲みになります?」と客に尋ね当方が賞味期限尋ねた挙句に「3か月前なんですよ、賞味期限」と平気で売らうとするのだから呆れるばかり。水戸は昔から商売が上から目線で「売ってやる」だといはれるが旧市街の商店街がもはや風前の灯火で崩壊しようとしても商家はこの伝統を頑なに守つてゐるやう。

仁左衛門〈梶原平三誉石切〉


f:id:fookpaktsuen:20201012212713j:image

f:id:fookpaktsuen:20201012212708j:image

林鄭市長の発表で香港市役所は内地から戻りボーダーでの簡易検査で陰性証明された香港市民に対して14日間の強制隔離免除を検討だといふ。一国両制どころか一制度下の同じ国なのだから当然の措置か。教育局は反体制的言動の教員の免許資格剥奪まで検討と蘋果日報。 

本日農暦八月廿六日。お昼は間2日で東京ビルヂング地下の〈トナリ〉でタンメン。先日は午後2時過ぎで行列は数名だつたが今日は昼前だつたが早めのサラメシ客ですでに十数名の行列。食後に東京中央郵便局へ。さすが東都のシンボル的郵便局は記念ハガキ等も充実でいくつか郵便を送り自分宛に風景印入りのハガキも出す。台風の影響で不安定な天気もおさまり秋の柔らかい日ざしのなか歩いて銀座へ。有楽町駅で駅スタンプ押して電車通りのウヱスト喫茶店へ。


f:id:fookpaktsuen:20201012213009j:image

f:id:fookpaktsuen:20201012213003j:image

珈琲にモンブランケーキ。木挽町で第2部の芝居、高麗屋角力場を見終はつた村上湛君と待合せ。四方山話。湛君がお染のお昼にcorned beefのサンドヰツチ頬張つた後にカスタードのシュークリーム頼んだらウヱストのそれはやはり美味しさうでアタシも2つ目のケーキにそれをいたゞく。高校生の頃、目黒シネマに行つたり代ゼミの夏季講習サボって目黒にあつたウヱストで銀座より大きめの音量で流れるクラシック聴きながらこのシュークリームを食べて珈琲を何杯もお代はりして過ごす時間が好きでした。二人で交詢社ビルのバーニーズ紐育を抜けて鳩居堂に寄つてお線香贖つて歌舞伎座

f:id:fookpaktsuen:20201013233551j:plain

先週金曜日に水道橋の宝生能楽堂で邂逅の湛君と今日の第3部のお芝居が偶然一緒だつたことわかつた次第。松嶋屋の〈石切〉。青貝師六郎太夫歌六、その娘梢役が孝太郎。松嶋屋の景時は十五代目(羽左衛門)の型を権十郎Ⅲに教へてもらつたものださうで具体的なところは芝居の後に有楽町に向かつて歩きながら湛君が細かく教へてくれたが他の型(つまり播磨屋のじつくりとセリフ大切な景時)に比べると「派手なんです」と松嶋屋ご自身が語つてゐるが、なるほどといふ「見た目」。それはそれで松島屋でこその景時であつて絵になるもの。今年七十六でこれだけ凛々しいのだから大したもの。歌六も孝太郎も上手だが孝太郎の芝居がコテコテで景時の石切が何だか下町の芝居小屋の舞台のやうに思へて可笑しい。平時なら歌舞伎座に入れば大玄関に松嶋屋の奥様がゐらして笑顔で迎へてくれ忙しいなか少しお話できるのも松島屋の芝居に来る楽しみだつたのだが疫禍では奥様もロビーに出るわけにも行かず、おそらく木挽町にも来られてゐないのだらう。寂しいかぎり。

f:id:fookpaktsuen:20201014001436j:plain

片岡仁左衛門〈梶原平三誉石切〉

数寄屋橋の阪急がメンズ専門館になつてゐたことなど知らずにゐて湛君が地下に蝶ネクタイもそこそこありますよ、と連れていつてくれる。有楽町で彼と別れ東京駅へ。午後7時くらゐで退勤さすがにかなりの人出。
f:id:fookpaktsuen:20201012213033j:image

グランスタに崎陽軒の出店ありシュウマイ弁当*1仕入れて列車で食べながら帰宅。水府は小雨。疲れてゐて一寸眠いが野嶋剛『香港とは何か』(ちくま新書)を列車の中で読了。市立図書館で返納過ぎてゐて次の予約者ありと返納催促の電話をいたゞいてしまつてゐた。ごめんなさい。 

香港とは何か (ちくま新書)

香港とは何か (ちくま新書)

 

朝日新聞記者であつた著者と香港の関はりのきつかけが興味深い。中学の時から横浜の教会に通つてをり上智大で第二外国語で中国語を習つてゐたこともあり中国の地下教会に聖書を運ぶといふミッションに参加して香港を経由して広州に向かつたのだが、その経由地の香港にすつかり魅せられて大学を休学して香港の中文大学に1年間留学。それが1989年だといふからアタシより1年早く中大にをられたことになる。天安門事件の年。『香港とは何か』といふタイトルの本だが著者は「香港ほど物語にしににくい場所もない」といふ。「香港には主役がいない」。新加坡のトーマス=ラッフルズ(これを李光耀といつても良い)、台湾の李登輝、中国の鄧小平のやうな舞台回しになる指導者やヒーローが英国時代から現代に至るまで香港に現れなかつた、と。御意。そして、このやうに述べる。

香港人が1980、90年代に政治に関心を示したことは、香港人は歴史的に見て政治に無関心であったという一般の認識を完全に覆すものであると主張する者もいるが、これも時代錯誤の見方である。1980年代、90年代の改革の要求は、香港の社会・経済・政治的な条件の変化、特に地元意識の高揚、「中衛合同声明」、天安門事件に対する香港の反応によってもたらされたものである。この頃までに、香港は以前と異なる場所になり、その市民は以前とは違う人々になっていたのである。香港の経済の繁栄と政治の発展に対して香港人が貢献したのであれば、香港の住環境や社会サービスの劣悪さ、抑圧的な教育制度、政治文化の弱さに対しても、香港人は責任を問われざるを得ない。もしも、一部の評論家が言うように、香港の大衆が確かに植民地政庁の社会サービスと政治改革の面での悪い業績に対して怒っていたならば、彼らは政庁にもっと強く要求したはずである。1970代の政治・社会活動家は、香港の情況は中国よりもすでにはるかに良いのであるから、政庁を政治に巻き込んで面倒をかけるなと、しばしば華人社会のすべての階層の者から警告され、抵抗されていたのである。

このパラグラフは一寸整理されてゐない感もある。何度か読んでもやゝこしい。趣旨は香港の住民は政治的でなかつたのは間違ひない事実で、それが1980年代から地元生まれの世代の香港意識と政治的な環境の変化によつて意識が政治化された。これは事実。だが生活する香港の環境に文句もいはずにゐたのだから、さうだらう、といふのは一寸短絡的すぎないか。政治的な意識などなかつたといふより「それどころぢゃなかった」が正確だと思ふのだが。気になつたのはそこだけ。著者は視線に独特の柔らかさと優しさがある記者だが、この本も香港といふ都市を歴史や文化まで様々な角度から見つめてゐて読みやすい良書。雨傘運動まではこの著作の射程範囲だつたが昨年の反送中騒乱で書き止めも能はず、それに言及があり出版も予定より遅れたやうだが、それによつて今の香港をよくとらへてみせた。

*1:東都で売られてゐるのは崎陽軒でも東京工場製でかぶせ蓋。やはり蒸れてしまふが横浜工場のは昔ながらの紐かけで、こちらの方が手間がかゝるのだが都下でも蒲田までは横浜のものが売られてゐると湛君に聞く。