富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

私の孤独

農暦九月初一。朝、驟雨に逢ふ。家を出る時には晴れてゐて突然、雲行き怪しくなり雨が降り出し天文台アプリ見たら香港で本当にここだけ。但し日本のゲリラ豪雨のやうな豪雨にあらず。早晩に銅羅湾で散髪して帰宅。昨晩遅くの日テレ「マツコが日本の風俗を紐解く「かたせ梨乃が進駐軍の前で踊り狂った時代…マツコ」」見る。何だか長たらしいタイトルだが江戸の遊郭の頃からの日本の性風俗の歴史。遊郭から赤線へ、売春禁止での青線、そこから風俗へ。風俗の発端を飛田新地としてしまふのは安直な気もするが阿倍野スキャンダルだのノーパン喫茶だの懐かしい。それにしても売春禁止どころかデリヘルなど形を変へ遊郭の時代のほうがよっぽど整然としてゐたか。番組の後半はパンパンの話から最後は「……でせうね」でヨコハマメリーの話。晩年の老人ホーム暮らしのころのメリー刀自が素顔で笑顔を見せる写真に一緒に写る何とも妖艶な年寄りは……と思つたらマツコ姐さんが「元次郎さんね」と。半百すぎてシャンソン歌手デビューした、それ以前に好事家にとつては野毛のお寺かシャノアールの元ちゃん。アタシは昭和の末に渋谷のジャンジャンで淡谷のり子先生のステージにアンコールだつたか?先生の手をとり現れデュエットした元ちゃんの笑顔に拝してゐる。


『私の孤独』/永登元次郎.mov

▼訃報:元横綱輪島大士さん70歳 - 毎日新聞 https://t.co/yjp0WAyUut

2006年5月に香港で西湾河のGrand Promnadeといふマンションの売り出しで、そのゲストに来られてゐた輪島さんに遭遇……どころか輪島さんから「一緒に写真撮る?」といはれ、あの左手で握手していたゞいた(こちら)。12年前だと思ふと当時の輪島は58歳なのだが今にして思ふとずいぶんと年老いてをられた。f:id:fookpaktsuen:20060527164404j:plain

自民党憲法改正目指した草案ver1.0の頃の改憲に前向きな世論が今は「改憲は急ぐべきではない」となってしまったのは偏に晋三の責任ではないのか? つまり自民党にとって改憲の機会を逸するのは晋三の責任で、まぜそれを追求しないのか。自民党が最大の護憲勢力ということか。

Sloppy Bloody Maryの誕生

農暦八月晦日寒露。気温は朝で摂氏24度くらゐなのだが熱帯ゆゑ、これでもだいぶ涼しくなつたと感じる。夕方はもうすつかり秋の空。

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帰宅して一番いゝ加減なBloody Maryを作つて飲む。小さめのグラスにまずウオツカ注ぎ、そこにリーペリンソース、タバスコと胡椒を入れ、最後に冷やしたトマトジュースを注ぐだけ。氷も入れなければ攪拌もしない。これを“Sloppy Bloody Mary”と名付ける。

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Sloppy Bloody Mary

米軍普天間飛行場を名護市辺野古に県内移設する政府方針に賛成は30%、反対は45%、無回答も25%あった。憲法改正を巡っては、国会が改憲案の発議を「急ぐ必要はない」が65%で「急ぐべきだ」は19%にとどまった。学校法人「森友学園」と「加計学園」をめぐる問題では安倍晋三首相や政府の説明に「納得している」は13%、「納得していない」は71%。9月の前回調査からいずれも横ばいだった。

凱旋門賞

農暦八月廿八日。快晴の日曜日ながら本日も官邸。秋のイベントあり。官邸では微軟のヰンドウズ10も仕事上使つてゐるが昔に比べると使ひ勝手も格段に向上で快適。だが蘋果のMacに比べるとネットブラウザの解析度、デザイン性見比べると違ひは歴然。画像左がヰンドウズで右が蘋果。

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身の回りに溢れる蘋果産品……iClouldの“Find my…”開くと18ほどの端末ずらりと並び我ながらさすがに唖然として、まず使つてゐない端末消去した上で乱用しすぎでキーボードのイカれてしまつた2013年製のMacBook Airと放置してゐたiPad Miniはリサイクル業社(こちら)に回収手続き。それで残つたのは家人使用のiPad ProとMacBook Air除くと常用のiPhone Xsと新聞読み専用のiPad MiniApple WatchAir Pods、自宅ではMac Book、居間で音楽聴く旧型 iPad Miniと浴室で時計とラジオに使ふ旧型iPhone7、官邸でMacBook ProiPad Pro、サテライトオフィスiMacで合計10個の蘋果産品……まさに蘋果漬けの日々。陋宅で晩飯にHenriotとウヰスキー飲み早寝して夜中に目覚め「あ、凱旋門賞今晩だつた」。午後までは覚えてゐたのだが。日本からクリンチャー(武豊騎手)参戦は17着。エネイブル連覇。賭けてゐたら2番人気のWaldgeistで4着からで、結果的には賭けず幸ひで情けない。

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HK rejects visa of British journalist in free speech row

農暦八月廿七日。快晴。周末土曜日で官邸で周末の残務整理。昨晩の深酒で疲れあり。晩に水餃子。テレビでブラタモリ箱根温泉」と「出没!アド街ック天国日本橋を見る。1919(大正8)年に箱根湯本から強羅までの登山鉄道開業で秘境の鄙びた湯治場所がどう開発されていつたか。日本橋高島屋新館開業に合はせて。蒲焼の美國屋がこの新館の建物に。日本橋は榛原がビルになつたあたりから騒がしいと思つてゐたが白木屋コレド日本橋になり昔は確か大同生命のビルだつたところが今回の高島屋新館で、もう昔しか知らぬ老輩には何だかよくわからない。 

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▼渋谷神山町の蕎麦・おくむら。1980年代後半に当時キティレコードのディレクターO氏にいすゞピアッツァで連れていつて貰つたのが最初。あれからだと思ふともう三十年余の老舗。若かりしアタシはNHKの音芸に出入りする放送作家のパシリのやうな生業にあり午後遅くこのおくむらでの昼蕎麦は格別。場所は不便だが渋谷から新宿駅西口行きのバスに乗ると此処に行くには便利。富ヶ谷1丁目の晋三邸からは歩いて6分程度。

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⇧8月に外国人記者倶楽部(FCC)が香港民族党の代表を招きランチコンファレンス開いたことで中共中聯辦がFCCに圧力かけ9月には香港政府が民族党に社団条例違反で活動停止命令。これに続き今度は香港政府がFCCの副代表で8月の民族党マター主弁したFT紙香港駐在員の就労ビザ継続を拒否。机上の空論とはいへ香港独立といつた中共の国家安保問題への干渉は一国両制の香港とはいへ活動家ばかりか新聞記者にも許さぬといふ狂気の沙汰。そのうちネット上での主張も許さぬのだらう。アタシは因みに香港独立なんて一切主張していませんから。だがFCCの立場は外国人記者が香港独立を支援してゐるのではなく、彼らが何を考へ何を主張してゐるのかの探求であり、それが具体的なテロ活動ならともかく言論であり、その言論に圧力かゝることへの懐疑。それすら認めぬといふのだから、そのうちネット上でも「今回の民族党弾圧はおかしい」と主張するだけで、さう主張した者にも中共一党独裁続くかぎり圧力がかゝる時代が間違ひなく来るのであらう。

The Foreign Correspondents’ Club of Hong Kong is deeply concerned over the decision to refuse a work visa renewal for Victor Mallet, the Financial Times’ Asia News Editor. The FCC is expecting a full explanation from the Hong Kong authorities for this extraordinary move, which is extremely rare, if not unprecedented.

Journalist, author and FCC board member Victor Mallet discussed the threats facing India's Ganges river. Photo: Sarah Graham/FCC
Journalist, author and FCC Vice President Victor Mallet. Photo: Sarah Graham/FCC

Mr Mallet has been a journalist for the Financial Times and Reuters for more than 30 years, and this is his second stint in Hong Kong. He first joined the FCC in 2003. He has served as the Club’s First Vice-President since 2017.

Hong Kong rightly prides itself on its reputation as a place where the rule of law applies and where freedom of speech is protected by law. The FCC has been proud to represent and champion that reputation since it moved here in 1949.

In the absence of any reasonable explanation, the FCC calls on the Hong Kong authorities to rescind their decision.

5 October, 2018

 

 

寿司処今村

農暦八月廿六日。快晴。中環でのミーティング済ませ早晩に銅羅湾。Excelsior Hotel地下のDicken's BarでO氏とHappy Hourで啤酒飲んでから寿司処今村。十年ぶりかしら。まぁ見事な肴で酒を飲み寿司を摘む。築地市場豊洲への移転で香港の寿司屋も少なからず豊洲からの魚介届くまで休業の由。

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バーSに用事ありハイボール一杯だけ煽りサロンNで半夜三更まで飲む。飲み屋のお姉さんの喋りは洒脱なもの。

▼麻生財務相「佐川氏、極めて有能」……そりゃそうだろ、小役人が自らの地位を捨てて世間に嘲り笑われても晋三不利にならぬよう奴隷根性で振舞ってくれたのだから下僕の鑑 https://t.co/7vGLeD6KKd

フジモリ氏「殺さないで」恩赦取り消しで動画投稿……武士道と云ふは死ぬことと見つけたり、ではないのかね? あ、日本のサムライではなくペルーの学者か。 https://t.co/UFP5HYBK0j

 

 

iPhone Xs

農暦八月廿五日。快晴。携帯CSL商店尖沙咀店の旧知A経理より「iPhine XS在庫ありまっせ、旦那」と通知あり。気にもしてゐなかつたが現用の須磨帆はiPhone7で既に2年余。まだ十分に動くが陋宅浴室の時計ラジオにしてゐたiPhone5sが辛うじて動いてゐるが既に躯体崩壊生じてをり、これの代替必要と本末転倒のすげー理由でXS入手。尖沙咀中共国慶節連休で内地観光客であふれ返る人混み。

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帰宅して新しいiPhoneのインストール。40GBほどの内容が1時間で入植できるのだから便利な時代。浴室の5sは電源外してみたら寿命尽きる。充電池がすでにいかれてゐたらしい。電源つなぎつぱなしで、それが生命維持装置のやうに、だうにか命を保つてゐたと今になつて識る。西澤泰彦『東アジアの日本人建築家』読了。

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▼西澤泰彦『東アジアの日本人建築家』(柏書房)。著者は名古屋大学大学院環境学研究科准教授。『日本植民地建築論』や『植民地建築紀行 満州・朝鮮・台湾を歩く』等の著作あり。この本は19世紀末、日清戦争から始まる東アジアへの日本の食道獲得と支配地拡大に合はせ各地にできた支配者の建築、それに携はつた建築家についての探求。彼らは国内ではあまり正確な記録もないことから植民地建築の専門家たる著者がまとめたもの。この専門書ともいへる著作読んだのは香港総督府を日本風に改築した青木菊治郎らのことを少し知りたかつたゆゑ。19世紀末といふ時代は

①それまでの「造家」が西洋のarchitectureにあたる「建築」といふ認識となり

②工部大学校造家学科(後の東京帝国大学工学部)に於いて西洋建築だけではなく「日本建築」についての研究の開始

③耐震建築、これは関東大震災ではなく1891年の濃尾地震が契機

④以上の3点を踏まへ大学での建築教育の基礎的枠組みが固まつたこと

⑤それらの環境が日清戦争行こうの植民地建築に向かふこと

といふ観点からの論考で実に面白い。

日本植民地建築論

日本植民地建築論

 

 ▼逃稅風暴 中共殺雞儆猴范冰冰罰10億換自由 微博道歉:沒有黨就沒有我 https://t.co/n2wD6FVtXF 范冰冰の巨額脱税。芸人のギャラ高騰の異常。また中共芸能界背後には人民解放軍幹部の影。すべてがおかしな話。それにしても范冰冰の謝罪は「党がなかつたら私はない」と。法治やモラルよりも「党が全て」といふ一党独裁の恐ろしさよ。

▼世道人生:遠離文明(李怡) https://t.co/gM5Q4UUY7H ソ連は1922年成立から1991年解体まで25,198日。1917年の十月革命は成果あり。5年の内戦経て1922年にソ連誕生し1991年の国家解体とロシア共和国誕生から已に27年。形式的には民主国家の普選実施となつたがプーチン独裁。ロシア人は何を考へてゐるのか、李怡先生曰くソ連時代の70年の洗脳、殊にスタリーン独裁時代の負の影響が大。その後遺症。中共は、といへば中共一党独裁はすでにソ連より長くロシアのやうな宗教信仰の伝統や18〜19世紀の西欧啓蒙思想の洗礼もなく「愚民的基礎」はロシアより深厚。1905年に孫文が倫敦で清末の西洋思想先駆たる嚴復先生と面談の折に嚴復曰く「以中國民品之劣,民智之卑,即有改革,害之除於甲者將見於乙,泯於丙者將發之於丁。為今之計,惟急從教育上着手,庶幾逐漸更新乎!」。辛亥革命経たといへども民衆の品格の劣、民智の卑、過去1先年異常の専制主義と奴化統治といふ負の遺産

瑞典所謂「辱華」事件後,又爆出了央視記者大鬧英國保守黨論壇事件。網上的影片一出,我還不知道是甚麼人甚麼事情,就料定這是中國大陸人。其後,中國官方的反應,和大陸網民對這個動手打人的女記者的喝采,更是前無古人,經典一句是:「打人是不對的,但是打畜牲,我們支持你!」
每天在中國人身上發生的事情,都超出了人類的常情和常理。我想到瑞典事件後的一位網民說:「中國人究竟怎麼啦?中國人為甚麼似乎跟人類的距離越來越遠?中國人給世界的印象還有甚麼?換句話說,中國人離喪盡天良還有多遠?」
早前網頁流行這樣的一句話:「中國最緊迫的不是走向世界,而是重返人類。」如果蘇聯在共黨專政後,還要三代人才能重返人類,那麼中國要多久?而香港的悲劇,就是從人類最文明的社會,急速向遠離人類文明的社會淪落。 

 

競馬観戦

農暦八月廿四日。快晴。少し涼しくなつた晩にハッピーヴァレー競馬場。お誘ひ受けてボックス席で家人と競馬観戦。バルコニーで自撮りしようとしたが下手なのでイベントで雇はれてゐた撮影隊のカメラマンにお願ひすると気軽にアタシの須磨帆で撮つてくれたがプロはさくさく、っとやはりアングルや背景処理、露出など見事なもの。予想外れまくりで唯一のチャンスは第6レースで3番人気、単勝6倍の馬を一点買ひのはずが馬券買つてないことに気づいたのがゲートイン後で慌てゝアプリで馬券購入のところ焦つたところ出走。かういふ時にかぎつて予想馬が勝つから困つたもの。

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……どうも、このブログ形式になつてから長い文章が書けなくなつてしまつた。

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